やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2014年10月13日

俺様とマリア volume.95 5人目の戦士


俺様とマリア volume.95 5人目の戦士 


 花ちゃんの店「おでん 当たり矢」のビールケースに畳を敷いただけの通称「座敷」で俺様が眼を覚ましたのは、もうすっかり太陽が傾いちまって常連が集まりだす午後4時近くだった。神龍たちと別れたのが午前0時を過ぎた頃だったから、かれこれ15時間も眠り続けていたことになる。いや、正直言うと、これでもまだまだ眠り足りない。常連客さえ来なければ、余裕であと半日は泥のように眠っていられそうだ。

「おっ、お目覚めかい、E坊。
どうだい、体中筋肉痛と打撲の品評会ってところだろ?
席が埋まるまでもう暫くかかるだろうし、まだ寝てたって構わないんだぜ」

 俺様は「大丈夫」とばかりに笑いかけたんだが、傾げた首と頬の辺りをズキッと痛みが走りぬけた。花ちゃんの言うとおりだった。人間離れした怪物相手の、しかも1日4試合のリアル・バーリトゥードゥは、俺様の肉体のそこかしこ、隅々に至るまで、あらゆる痛みという痛みを刻み込んでいた。正直、体を起こすのさえ辛い。これでマリアがいてくれたなら、愛の力で勇気百倍、回復も二百倍ってとこなんだろうが、ディーン安武とリンダの計略によって、マリアはまた籠の鳥になっちまった。それも俺様のHPの回復を妨げている一因に違いない。
 と、落ち込み気味の俺様の背後で声がした。

「兄ちゃん、無理しないでゆっくり休むがいいよ。
おでんだけじゃ栄養が偏るし、何よりまだ胃が受け付けんだろ。
体力回復の為の特製スープを作っておいたよ」

 聞き覚えのあるちょっと訛りのある声に振り返ると、俺様のトレーナー、リンダに監禁されていたエディのおっちゃんこと名伯楽・エディ丹前が、雪平鍋を手にエプロン姿で立っていた。俺様同様疲れ気味でちょっと痩せたかもしれないけれど、思ったよりは元気そうだ。

「エディのおっちゃん、そっちこそ大丈夫だろうな。
リンダに酷いことされやしなかったかい?」

 おっちゃんはいつものニコニコ顔で明るく応える。

「そりゃあ、多少は痛い目にあったけれどなぁ、
頼まれたサイドの反対側のコーナーに立っちまったんだ。
まあ、ある意味自業自得、覚悟はしていたさ。
それに、生意気で性悪のリンダはともかく、神龍さんは紳士だったよ。
俺のことをリンダの仕打ちから守ってくれたんだ。
夜なんかは、2人で焼酎飲みながら格闘技について語り合ったもんさ。
それが驚いたことに、あの人の格闘センスと知識、理論ときたら、
そこいらのプロのトレーナーが何人束になったって叶いやしないよ。
正直、俺の知らないこともたくさん知っていたし・・・」

 俺様の思っていた通りだ。やっぱり神龍は、格闘に関してエディ丹前が舌を巻くほどの天才的な眼力を持つ男だった。しかも奴は、世に噂されているとは裏腹に、とても人間らしい一面を持っている。俺様は、神龍の知らざれる姿を見つけ出す度に、残虐、非情というマフィアのボスの顔が、実は計算の上で造り上げられた精巧な仮面だったのではないかとさえ思っちまう。
 エディのおっちゃんは、琥珀色のスープをマグカップに移し、俺様に手渡しながら続けた。

「兄ちゃん、ゆっくりスープを飲みながら聞いとくれ。
実はその神龍監督からの頼まれごとがあんだよ。
チーム神龍のキャプテンとして、5人目のメンバーを、
トレーナーの俺と一緒に迎えに行って欲しいってことなんだ」

「5人目のメンバーを?俺様が?
って、その前に、ちょ、ちょっと待ってくれよ。
チーム神龍のキャプテンって、どういうことだ?
俺様はそんな話、これっぽっちも聞いてねえぞ」

 それを聞いて花ちゃんが笑っている。

「だってE坊ったら、相談しようとしたんだけどさ。
頭をはたこうが、腕をつねろうが、何をしても起きやしなかったんだから。
でも、新宿最強トーナメントの覇者が大将を張るのは当たり前だろ?
それに、シールドのディーン安武の野郎に引導渡して、
大事なマリアを取り戻すのは、E坊以外にいないんじゃないか」

「兄ちゃん、花田君の言うとおりだ。
兄ちゃんはB・Bを破ったウェアウルフや、アネキンにも勝っているんだ。
兄ちゃんのキャプテンは、監督の神龍さんはもちろん、彼らだって了解済みだよ」

 どうやら俺様が高いびきを立てていた間に、いろんな話が当人抜きでどんどん決まっちまっているらしい。確かに因縁浅からぬディ−ン安武と、直接決着をつけるってのは悪く無い。こうなったら成り行きに任せて突っ走るしかねえだろう。覚悟を決めて頷く俺様の眼を見てエディのおっちゃんが続けた。

「5人目のメンバーは、ちょいと骨がある奴らしい。
何でも神龍さんのトーナメント参加の要請を唯一断った奴だそうだ。
しかも、チャカやポン刀持って出演の再交渉に行ったリンダの手下20人が、
あっという間に返り討ちにあっちまったときてるんだ、もちろん素手でな。
味方にすれば大きな戦力だが、仲間にするのは簡単じゃねえかもな」

 神龍も「心当たりがある」だなんて言っておきながら、結局はそういうことかい。確かに神龍の誘いに簡単尻尾を振るような飼い犬野郎なんかよりは、よっぽど頼りになりそうな気はする。でも、まあ、そんな奴だからこそ、最後はお互いの拳で語り合うことになっちまうんだろうな。

「分かったよ、おっちゃん。
で、俺様は何処のどいつに会いに行けばいいんだい?」

「新大久保だよ。
奴の名は、猛虎、キム・クンナム」

【To be continued.】





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posted by maruzoh at 17:35| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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