やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2013年10月31日

俺様とマリア volume.89 花ちゃんとディーン安武


俺様とマリア volume.89 花ちゃんとディーン安武 


 その後の千川要の対応は至って迅速だった。腰パン2人組からディーン安武の名刺を借り受けて連絡を取ると、その晩の池袋西口商店街の会合にはディーンを含むIWGP幹部3人を招聘、早速他の役員に彼らを紹介した。
 最初こそ怪訝そうにディーンらを値踏みするように眺めていた他の役員連中であったが、今後の池袋西口のあるべき姿、理想とも言える近未来の池袋像を1時間に渡って熱く語るディーンらに、一同はみるみる引き込まれていった。そして彼らの情熱と努力こそが、自らが生まれ育ったこの街を更なる発展に導くであろうことを誰もが確信するに至った。中でも会長千川は、神の導きとも言えるこの運命的な出会いに感激し、役員らの面前であるにも拘らず溢れる涙を禁じ得ずにいた。涙にくれる千川のIWGPとの業務提携に関する動議は、役員の満場一致の賛成により可決され、ディ−ンらはこれを快く受け入れた。
 かくしてIWGPは、池袋西口商店街公認の警備組織となり、それまで12名に過ぎなかった団員数も商店街から提供される潤沢な資金力に物を言わせたスカウト活動で、その数を瞬く間に4倍以上に増やしたのだった。しかし、その12名いたオリジナルメンバーの中に、あの小太りの茶髪と長身金髪の「腰パン2人組」が含まれていたという事実を、会長千川を始めとする商店街の役員らが知る由もなかった。


 時も所も変わり、ここは新宿地下闘技場。ここには、様々な思惑が入り乱れていた。他のエリアからの新たな脅威である侵入者を純粋に快く思わない者。神龍ファミリーの内紛に乗じてその足元をすくい自らの勢力を拡大できないものかと思案する者。神龍につくべきか、リンダにつくべきか今後の身の振り方を案ずる者。そんな淀んで重苦しい空気が会場を取り巻いて、トーナメント終了後にも拘わらず、観客は固唾を呑んでリング上を見守っている。

「お前らと最初にモメたのは、オイラだったんだよな」

 花ちゃんが俺様の脇まで歩を進めて、ディーンを睨みつけて言った。

「オイラ、初めて見た時から胡散臭い奴らだと思ってたんだよ、お前らは。
変に芝居掛かってて、まるでカルト教団みたいでさ」

「カルト教団とは恐れ入ったな。
団員全てに意思統一が図られていて、
統制が取れているとでも受け取っておけばいいかな」

 ディーンはそう言うと、にやりと笑った。花ちゃんはそれを無視して続けた。

「忘れちゃいねえだろうな、おい。
オイラはあの日、屋台のカトさんの義理で久しぶりにブクロに出向いてたんだ。
用事を終えて軽く一杯引っかけようと思って、ロマンス通りを歩いてると、
カーキ色に身を包んだお前らの一団にいきなり囲まれちまった。
ベレー帽にネクタイ姿のお前らは池袋西口自警団を名乗ると、
特殊警棒を構えて、見下すようにオイラに向かってこう言ったんだよ。
お前は近隣地区の要注意人物のリストの上位にランクされている、
池袋西口の治安維持のため即刻この街から退去しろ、とな」

 ディーンが当時を思い出すように遠くを見て、笑いながら受け応えた。

「ふふふ、そうだったな。
あの頃のIWGPは、池袋西口改革の第1弾として、
各地区の要注意人物、危険人物をランキング順にリストアップして、
池袋西口侵入を水際で食い止める私的非常線を張っていた。
通報を受けた団員は相手の危険度ランクに応じた人員が集まり次第、
当該人物を強制的に西口エリアから排除していたんだが、
ステゴロの花は当時最高ランクに近かったから、
たった1人を20人以上で取り囲む羽目になってしまった。
しかしどうだい、あの頃の我々の判断は極めて正しかっただろう。
だってそうじゃないか?
あれから数年経った今も、相も変わらず貴様らは危険人物のままだし、
実際にあの日貴様は、そこにいるEノイズと路上で大乱闘をしでかしたんだ。
後々まで西口の語り草になるような大喧嘩をな」

 俺様もあの日の花ちゃんとの出会いは、よおく覚えてる。忘れやしねえよ。つまらないお節介から始まった意地の張り合いだったんだけど、俺様はたった1人を大勢で囲むようなやり方は見て見ぬ振りができなかったんだよ。でもあれが無けりゃあ、花ちゃんとの友情も、今のこの瞬間もきっと無かったんだろうから、生きてるってことは面白いんだよな。人生1つ悪いことがあれば1つ良いことが返ってくるように、上手い具合にできてんのさ。

【To be continued.】




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 大衆娯楽小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 08:51| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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