やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2013年09月13日

俺様とマリア volume.84 帰ってきた男


俺様とマリア volume.84 帰ってきた男


 俺様に急激な疲労が襲い掛かってきた。そりゃあそうだろう。1日4試合の「何でもあり」なんて聞いたことも無いし、なんたってその面子(メンツ)がふるってやがるんだから。
 1回戦の新宿裏拳闘ヘビー級チャンプ、デュラン・黒川戦は余裕の勝利だったとして、2回戦は新宿プロレスの道場破り撃退屋、クラッシャー・桜田とのクラッシュドグラスデスマッチ。桜田のおっちゃんときたら、俺様の背中をガラスまみれにしやがって、あれはとんでもなく痛かった。脳天がガラスまみれになっちまったおっちゃんは、もっと痛かっただろうがな。
 準決勝は超合金ニューZで完全武装したリアル改造人間、あの生ける凶器の元獄真会館のアンちゃんだ。あいつは実に根性があった。新必殺技を準決勝でお披露目しなけりゃいけないほどのギリギリの戦いだったよ。あの生意気さを忘れずにど真ん中を行けば、きっといいファイターになるに違いない。
 そして決勝戦は、人にして人に非ず、狼にして狼に非ず、人狼ウェアウルフ。あいつは噂以上の化け物だった。まさに怪物だ。神龍のメッセージの謎かけが無けりゃ、正直勝負の結果はどっちに転がっていたか分かりゃしなかった。となるとリンダの言い分も、あながち的外れって訳でもないのか。
 まあ、いずれにせよ俺様の対戦相手に限らず、この大会にエントリーしてきた奴らは、一筋縄じゃいかねえ曲者の上、真の実力者たちで、その頂点に立った俺様は、やっぱりスゲーってことなんだよな。

 でもこの新宿って街は、そんな闘いを終えたばかりの英雄にも休息を与えちゃくれない。俺様たち新宿に生きる者は、一瞬とて立ち止まることの許されないローリング・ストーンみたいなモンで、しかもその小石たちは一様に速度を増しながら、千尋の谷の暗い谷底に向かっていく。途中で砕けちまったり、立ち止まった奴らは、そこでゲームオーバーって訳だ。
 そして今、とてつもなく深い谷底の暗い闇で俺様を待ち受けているのが、黒のミリタリージャケットを纏ったシールドの3人だ。冷酷無比の女狐・リンダの後ろに控えるシールドは、計6つの鋭い眼光を俺様たち3人の間をゆっくりと浴びせていたが、新たな因縁の勃発したリンダと神龍は、さっきからお互いに視線を外さずに睨み合って微動だにしない。
 恐らくこのシールドの3人、疲労困憊の俺様やか弱き乙女のマリアに対しても、手心を加えてやろうだなんて仏心は微塵も持ち合わせていないに違いない。そんな眼をしてやがる。俺様はこれまでこんな眼をした奴らをたくさん相手にしてきたし、知り合いも少なくは無い。特に1番危険な目をしているのが真ん中のオールバックの野郎だ。しかも、俺様はこいつに絶対に何処かであったことがあるはずなんだ。それが何処でいつなのかをずっと考えているんだが、どうしても思い出せねえ。
 静寂を破って、リンダが動いた。
 
「いつまでもお見合いじゃお客さんも退屈そうだ。
そろそろ端から順番に片付けてやろうかね。
そうだね、まずはマリア、あんたからにしてやろう。
どうだいEノイズ、やっと再会できた最愛の女が、
目の前でボロ雑巾のようにされるのを黙って見てるってのは」

 俺様はオールバックの男からリンダに視線を移すと、1歩リンダに歩み寄った。

「相変わらず性格の捻じ曲がった女だな、てめえは。
そんなこと俺様が指ぃ銜(くわ)えて見てるとでも思ってんのか?
何ならこっちから先制攻撃かけて、
真っ先にてめえを潰してやってもいいんだぞ、こら」

 俺様の啖呵にもリンダは全く動揺しないで、得意の唇の端を歪めるような残忍な表情を見せた。もし爬虫類が笑ったとしたら、きっとこんな顔をするに違いねえ。いや、それじゃあ蜥蜴や蛇に失礼ってもんか。

「ククク、アンタも大概に馬鹿だねえ。
アタシが何でこのタイミングで動いたかを考えてみなよ。
アンタはねえ、自分が思っている以上に疲労、
いや、もう疲弊しきってるんだよ。
そりゃあそうさ、あんなとんでもない化け物相手に闘い続けていたんだからさ。
いくら新宿最強って言った処で今のアンタなら赤子の手を捻るも同然さ、
このシールドの3人ならね」

 痛いとこ突いて来やがるぜ、実際。その通りだよ、俺様は疲れまくってるよ。だがなあ、リンダ。お前は知らないかもしれないけれど、限界を超えた力、特に愛の力ってのを甘く見ない方がいいぜ。俺様は絶対にマリアを守る、絶対にだ。歌の文句じゃねえけど、必ず最後に愛は勝つもんなんだよ。
 その時だった。リンダの背後、コーナーポストの見当から懐かしい声が聞こえた。

「リンダ、久し振りだなぁ。
相変わらず綺麗でお洒落だけど、
あんまり怒りすぎると、お肌には良くないんじゃねえのかい?」

 ええっ?この声、忘れる訳がない。俺様の友だち、伝説の喧嘩師「ステゴロの花」こと1丁目の花ちゃんの声だ。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 08:59| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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