【詩】ほっとする
例えば、
すごく疲れまくって、
そのくせ仕事は一向に片付かなくって、
もう、やだやだって思いながら、
足枷がついたみたいに
重い足取りで帰ってきたとします。
ふうってため息の後、ドアをギーって開けたら、
ココが「わうわう」尻尾を千切れるほど振ってた。
お兄ちゃんは、「よう、お疲れさん」ってかっこつけて降りてきた。
ヒロちゃんは、「お父さんと一緒にお風呂に入るんだ」って
こんな時間まで待っててくれた。
お風呂から出たら、
カマスの開きがじゅうじゅう言いながら出てきて、
里芋の煮たのと僕の好きな干瓢があって、
大っきなグラスにビールを注いで
女房と「かんぱ〜い!」
そしたら、自然に
さっきまでの、重くのしかかってた何かが
するんと肩から下りてくれます。
また、明日の朝には背負うんだったら、
この場所では、下ろしておこう。
この場所でなら、下ろしておけます。
ありがとうね、みんな愛してるよ。
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