やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2013年05月20日

俺様とマリア volume.81 スペシャルなSSD


俺様とマリア volume.81 スペシャルなSSD


 平成25年5月11日、青春の握り拳小橋建太氏が25年間の現役生活にピリオドを打った。明るく爽やかで前向きな、小橋氏らしい引退試合だった。俺様はプロレスが八百長と揶揄される度に「小橋と三沢の三冠戦を観てから同じ台詞を吐いてみろ」と言ったものだった。絶対王者と呼ばれ、幾多の怪我、病気を乗り越え我々に勇気を与え続けてくれたプロレス界の象徴小橋建太氏に心よりエールを贈りたい。本当にありがとう、小橋!

「うっしゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

 俺様とウェアウルフ。彼我双方の肩を支えとして地面から垂直方向に、まさに一直線に静止したブレンバスターの体勢から、俺様は跳ね上げる様にしてウェアウルフの体を支えるクラッチを外す。

ザシャッ

 本来であれば、ここから自由落下を始める奴の体を両腕でホールドして必殺のSSDは完成するのだが、さっき仕掛けた際のSSD封じをなぞるように、奴は重力に反して強引に大きく上体を反らさんとしている。その研ぎ澄まされた野生の感覚で腰を回転軸にして足を抱え込むように後方回転をすれば、すかされちまった俺様の背後に奴が降り立つことは何の造作もないことで、これにてSSDからの回避は見事に完了となる訳だ。

「あぁ、また・・・」

 ウェアウルフが上体を反らした瞬間、会場からどよめき、いや、大きな嘆息の群れが漏れた。観客席の誰もが必殺SSDの2度目の敗北、つまりはSSDの完全なる終焉を脳裏に浮かべたに違いない。しかし、この広い会場の中でただ2人、俺様を心から信じているマリアと本部席のあの神龍だけは、俺様の勝利を信じて疑わなかったはずだ。
 さあ、神龍見るがいい。お前が謎掛けをした「神様の声を聞け」というメッセージに対する俺様の回答はこれだ。そしてウェアウルフよ。これが新たな息吹を吹き込まれたSSDだ。お前にこれが返せるか。

「神様の声を聞きやがれぇっ!」

 俺様はクラッチを外すと同時に、ウェアウルフの道着を掴んでいた左手を大きく上方に突き上げた。本来のSSDであればこの左手は、奴の胴体をホールドする為に下げられなければいけないはずだった。そして同時に俺様は、右手をも後方回転を始めた奴を背中から包み込むようにして突き上げる。その右手を跳ね飛ばして強引に回転しようとするウェアウルフだが、そうは問屋が卸すかってんだ。俺様は両手をグリッップさせる為に奴の体を前後から挟み込むように近づける。奴の回転の勢いが完全に消され、俺様は奴の両足の間に左手を差し込む。

ガシッ

 その左手は奴の背後に回った俺様の右手と出会い、ここで両腕が見事にロックされた。
 さて、冒頭で触れた小橋氏のもう一つの異名が「鉄人」である。これは両膝の手術後、復帰は不可能との周囲の憶測を覆して完全復活したことに敬意を表してこう呼ばれるようになったのであるが、マット界に鉄人はもう1人いた。本家本元、元祖の鉄人と言えば、言わずと知れたルー・テーズである。テーズは937連勝でも知られる名実共に20世紀最強のプロレスラーだった。しかしその時代には、その鉄人と並び称された男がいた。そのがちがちのレスリングは同じレスラー仲間からも畏怖と畏敬の念を持って称えられ、いつしか彼は「プロレスの神様」と呼ばれるようになった。カール・クラウザーこと、カール・ゴッチその人である。

「よっしゃぁ、これがゴッチ式SSDだあぁぁぁぁっ」

 「スペシャルな」SSDが完成し、垂直落下が開始された。完全に捕獲されたウェアウルフには、もう何処にも逃げ場はない。

 「ぼ、坊やぁぁぁぁぁぁっ」

 リンダの声が虚しく響いた。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 08:41| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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