やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2013年02月19日

【エッセイ】ネギボウズ


【エッセイ】ネギボウズ 


 今年は春先の気温が高かったせいか、特にネギボウズの出方が多かった。
 明るい陽光を浴びて、小坊主の行列のように出揃ったネギボウズはたくましくもあり、ユーモラスでもあるが、農家にとっては厄介ものである。
 根元から全部切り捨てる。期間はそれほど長いものではないが、ネギは成長が早いのですぐまた出てくる。三回くらい切り捨てるとおさまる。茎が柔らかいので、鍬を入れると小気味よく切れる。切り口から透明の液が出てネギ独特の強い香りを放つ。私はこの匂いが苦手だ。そんなネギは俗に、精がつくともいわれている。
 それにしても、一本のネギボウズに細かい花を何十とも何百かも知れないほどつけ、その上を薄い皮で包んで守り育てるのだから不思議でしたたかな植物である。その型も面白い。子孫をたくさん残そうと必死で生きているのかも知れない。
 山のように切り捨てたネギボウズを見てたら何年か前、富士駅の一角にあった生け花を思い出した。人が急いで通り過ぎる駅の乗り換え通路の窓際に、花が生けてあった。その時中心の花を引き立てていたのが青いネギボウズだった。いきいきとして、ユーモラスで思わず立ち止まったのを覚えて居る。
 人の話によれば、花屋さんには生け花用のネギボウズがあるのだという。それはこんな強い匂いはないのだろう。
 切り捨ててあるネギボウズの山を見ていたら、私の遊び心をかきたてた。これを芸術的な生け花にして、ひと花咲かせてみようかと思い立った。
 元気に一直線に伸びたものや、半分頭をもたげかけて横に曲ってしまったもの、あらぬ方向に頭を向けたものなど、青春期に戸惑ういたずら少年たちのようだ。まだ蕾のままのものも何本か入れて家に持ち帰った。
 若いころ少しかじった生け花が、ひょんなところで役に立ってくれた。回覧板を持ってきた隣の奥さんが
「やだーこれあのネギボウズ?風情があるじゃん」とほめてくれた。
 私もいい気分、ネギボウズもいい気分かも知れない。

《終》


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posted by maruzoh at 07:38| Comment(0) | ◆澤田節子作品集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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