やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年07月30日

俺様とマリア volume.71 宙を舞うウェアウルフ


俺様とマリア volume.71 宙を舞うウェアウルフ


 コーナーから3歩ステップバックした俺様は、コーナーのターンバックルの上で四足になっているウェアウルフと対峙した。 にやりと舌なめずりをしたその顔には、「B・Bと言い、こいつと言い、人間にもなかなかやる奴もいるんだ」ってな風に書いてある。さて、野郎はこの後どう出るつもりだ?

ザシャッ

 ウェアウルフがコーナーを蹴って俺様から見て右に水平移動した。

(す、水平移動?)

 すぐさま身構えた俺様だったが、肉体的な反応と思考が一致しない。そう、信じられないことだが、ウェアウルフはコーナー最上段のターンバックルからトップロープの上を走って移動してやがるんだ。
 プロレスの世界でもトップロープを歩くってのは無い訳じゃない。みちのくプロレス社長の白使こと新崎人生の「拝み渡り」なんかが超有名なんだが、これはフィンガーロックに極めた相手の片腕を支えにした、言わば補助輪付きの自転車みたいなもんだ。ところが、今現実に眼の前を高速で駆け回っているウェアウルフは、ワイヤーの入ったロープの撓(たわ)みを利用して、まさに自由自在に跳び回っている。いや、更にスピードを上げた奴の姿は、これはもう飛んでいるといっても過言ではあるまい。
 俺様はウェアウルフの回転に合わせて時計回りに正対しているが、もう奴もトップスピードだ。そろそろロープの反動を最大限に利用したマッスル・ミレニアム級の攻撃を仕掛けてくるに違いない。

バウウゥゥゥゥゥゥン

(来たか?)

 ところがウェアウルフは俺様の予想に反して、水平方向ではなくリング中央に立つ俺様の、その遥か高い空域を目掛けて踏み切った。回転運動によるスピードで超反動のついたスワンダイブ式の跳躍は、リングの上方に吊り下げられて煌びやかにリングを照らす照明機器に届かんとする勢いだ。しかし何のために・・・

「し、しまった・・・」

 気づいた時には遅かった。ウェアウルフはその体をすっぽりとカクテルライトに包んだ瞬間、手足を丸め込むようにして、眩(まばゆ)い光の背景に溶け込んでいった。

「ま、眩しい。
やべえ、奴の姿が捉えられない。
考えたな、太陽を味方につけやがった」

 真っ白な闇が俺様を包み込んでいた。闇雲に反撃するのは危険、俺様は一瞬で反撃せずに回避することを選択した。

ザシュッ ダダツ

 ロープに向かってダッシュした俺様は、ロープのリバウンドを利用して着地した奴への反撃をイメージしていたんだが、背後に気配を感じた時には遅かった。ロープに背を預けた丁度その刹那、

ドスッ

 という鈍い音と共に俺様は鳩尾(みぞおち)付近に強烈な痛みを感じた。追走式の右ボディブローだ。音もさせずに着地して、俺様と同じスピードで追って来たって言うのかい、大したもんだよ。しかもだ、一瞬のうちによく考えたもんで、ここは俺様にとって最悪のポジショニング。完全にロープに詰められちまって、さっきのコーナーとは全く正反対の状況になっちまった。奴はここからロープを駆け上がって上に逃げたが、二番煎じは当然通用しまい。ここは一先ず奴が打ち疲れるまでガードするしかない。

ビシュッ ブン ブン

 まずは左右から爪で眼を狙ったカギ裂き式のフック。こいつは上手くダッキングでかわした。お次は突き上げるような左ボデイのダブル。チャンプアがやられたブローだ。

ガッ ガッ

 右肘辺りでブロッキングすると、今度は少しガードの下がった隙を衝いて右2本指でVサインを作るようにしてサミング、目潰しが飛んで来る。

バシッ

 パーリングではたく様に払う。今度は足、金的狙いで蹴り上げてきたウェアウルフの左足を、俺様が足の裏から踵でブロックすると、更に右で突き上げるようなニー、右エルボー、左のショートアッパー、頭突き、両手でのチョーク、つまりは首絞め。その後も矢継ぎ早に次から次へと繰り出される攻撃を、俺様は悉く防御しまくった。当たったのは最初の追走式ボディブローのみ。焦りと言うまでではないんだろうが、ウェアウルフは明らかに苛立ってきている。

(こんな時には隙が生まれる、仕掛けるなら今だ)

 そう思った俺様の右顔面を、ブロッキングの隙間を縫うようにして奴の左ストレートが襲った。

ガシャッ

 もろに被弾した俺様の上半身が大きくのけぞって、俺様はもたれる様に背をロープに預けた。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 07:34| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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