やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年07月08日

俺様とマリア volume.67 神様の声を聞け


俺様とマリア volume.67 神様の声を聞け


 リンダにあれだけの嫌がらせを受けたんだから内心穏やかなはずないマリアが、それでも気丈に、強い意志を纏った毅然たる表情で力強い一歩を踏み出した。それが俺様には「必ずE坊が勝って、私を迎えに来てくれる」と心で叫んでいるように思えてならない。
 本部席の前まで足早に歩を進めたマリアだったが、なぜか神龍の前で立ち止まって正面から奴を見据えている。神龍がなにか小声で声を掛けた様だ。どうせこいつもリンダと同じ様に、またくだらねえこと言ってんだろう。「Eノイズはウェアウルフには勝てやしねえ」とかな。神龍ファミリー、お前らは新宿のマフィアなんだろ?子どもの喧嘩じゃねえんだから、そういうのはもうやめにしようぜ。
 ところがだ、驚いたことに立ち止まったマリアは小さく首を横に振ると、神龍に軽く微笑み返してやがる。一体どうしたって言うんだい。2人の間でどんな会話が交わされたんだろう。俺様は嫉妬と好奇心のないまぜになった気分で2人を見ていた。
 そして、いよいよだ。本部席を離れたマリアが赤コーナーを折れて立ち止まった。リングサイド特別席の俺様とは、もう3メートルの距離にマリアが立っている。

「イ、E坊っ!」

 それまで懸命に堪えていたんだろう。マリアの大きな黒目がちな瞳から、堰を切ったように大粒の涙が止め処もなく溢れ出した。

「マ、マリア」

 俺様の声にマリアが駆け出した。思わず鉄格子に張り付いちまった俺様の顔に、マリアの小さな手のぬくもりが伝わってくる。嗚呼、マリア、マリア、マリア。俺様の口を衝いて出たのは、まずは謝罪の言葉だった。

「マリア、ごめんな。
俺様と神龍のつまんねえ意地の張り合いから、
こんな厄介ごとに巻き込んじまって、本当にごめんな・・・
体の具合はどうだい、元気にしてたかい?」

「だ、大丈夫、元気だよ。
食事は美味しいし、何不自由なく過ごしてる。
へへへ、素寒貧のE坊よりきっと良い暮らししてるよ。
が、外出は出来ないけどね。
それに、神龍とE坊の諍いだって、元を質せばあたしのせいだもん。
E坊、気にしないで・・・」

 無理して笑おうとしてるマリアの瞳からは、涙が溢れ続けている。

「神龍ってさ、ああ見えて意外と紳士なんだよ。
あたしには指一本触れやしないし、さっきだって・・・」

 俺様はさっきのマリアの微笑を思い出した。

「神龍はこう言ってた。
『ファミリーの長が塗られた顔の泥を拭おうとしたら、
横槍が入って些細な揉め事がこんなに大きくなっちまった。
お前にゃ辛い思いをさせちまって悪かったな』って・・・」

 B・Bのエールと言い、今の台詞と言い、俺様はまた神龍の意外な一面を垣間見たような気がした。

「まさか、神龍がね・・・
なあマリア、俺様はあいつのことが、よくわからなくなってきたよ」

 マリアは言い難そうにそう言う俺様を見つめた。

「そ、それと神龍がE坊に、
これから言うことを必ず伝えてくれって・・・」

「神龍が俺様に?」

 俺様はやはりこちらを見つめていた神龍に視線を移した。

「神龍が言うには、さっきのSSDは確かに驚異的な破壊力だけれど、
い、今のままでは、ウェアウルフには到底通用しない。
ウェアウルフを倒したいのなら『神様の声を聞け』。
そうE坊に伝えてくれって・・・」

 本部席の神龍が俺様の眼を見てニヤリと笑った。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 10:00| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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