やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年06月20日

俺様とマリア volume.60 ラッシュの果てに


俺様とマリア volume.60 ラッシュの果てに 


「て、てめえ何から何まで自分の物差しで測りやがって、
聞いた風な口を独りよがりに利くんじゃねえ。
一体てめえに俺の何がわかるってんだよ。
好き勝手に他人様の過去をのたまってんじゃねえよ」

 威勢のいい言葉に反して元ゴクは明らかに動揺していた。俺様には、奴の額から鼻筋を伝う一筋の汗が、あれだけプロレスを忌み嫌っていたはずの自分に向けた無言の回答のように思えた。

「元ゴク、お前は・・・」

「うるせえ、上から物を言うんじゃねえ。
てめえに言われるまでもねえよ、俺は闘いに来てるんだ。
四の五の屁理屈言う前にてめえをぶっ潰してやるよ。
その後は狼野郎だ。
トーナメントに勝ち残って、新宿で生き残るのは俺なんだよ。
目の前に立つ野郎は全員ぶっ倒す、さあ行くぜ」

 やはり元ゴクには俺様の思いは通じないんだろうか。いや、そう思うのはまだ早い。元ゴクがさっきまでの両手を広げる関拳児風の構えを辞めて、最初のアップライトに戻している。

(こ、これは空手家としての闘いだ。
口ではああ言っているものの、元ゴクは・・・
いやいや、考えるのはよそう。
奴の言うとおりだ、答えは闘いの中にあるはずだ)

 そう思った俺様は、ガードもろとも超合金で粉砕しようとする一気呵成のラッシュを警戒して、間合いをやや遠めに取った。

「ふんっ ふふんっ」

ザシュッ ブンッ ブンッ ビュビュッ

 いきなりの左右の下段回し蹴りから左右の突き。ステップバックしながらのウィービングでかわした俺様は、やや体勢の流れた元ゴクの顎に向けてその場で小さく両足跳びをする。

タッ ガシィィィッ

「ぐはっ」

 下から突き上げるドロップキックが顎の先端にヒット。そう、この顎だけは調合金ニューZは仕込まれていないんだ。初めてのダメージに大きく仰け反る元ゴクの右膝がガクッと折れて、元ゴクはついに片膝をついた。

おおおおぉぉぉぉぉ

 観客席からどよめきが起きる。本来なら観客の期待通りここから遮二無二攻撃を仕掛けるところなんだろうが、元ゴクに両腕で顔面をガードされちまうと、まるで甲羅の中に引っ込んじまった亀を相手にしているようなもんで、ここからの攻撃の術が無え。やはり打撃系のみでの決着は無謀か。
 しかし、打撃以外の選択肢といっても、ガードの上からでもとにかく1発でも当てられたら超合金で俺様の骨は易々と砕かれちまうだろうから、絞めも関節も反撃を許す前に一瞬で極めちまわない限り命取り、という訳だ。

(さて、どうする。
やはり、あれしかないか・・・)

 元ゴクは立ち上がって頭を左右に振ると、鼻から大きく息を吸い込んだ。恐らくラッシュをかける腹積もりだろう。

「せいやぁぁぁぁぁぁっ」

 左前蹴りから始まった超合金ラッシュは、矢継ぎ早に右左の正拳、右中段蹴りと繋げて、更に上中下段の突きと蹴りが1ダースずつ、まさに乱れ撃ちで俺様を襲った。これだけの連続攻撃を一息でしてくるところを見ると、元ゴクも超合金に頼りっきりっている訳でもなく、日々の鍛錬は欠かしてねえってことだ。

(但し、その程度のスピードならかわせるのは、
ファーストコンタクトで実証済みなんだよな・・・)

 俺様は軽やかに流れに任せて泳ぐような動きで、全ての攻撃を紙一重でかわす。元ゴクの繰り出す拳や脚が空気を裂く音だけが虚しくリングに響いた。手を止めた元ゴクが吼えた。

「て、てめえのプロレスってのは、逃げ回るだけか?
だったら、何も変わらねえじゃねえか。
生き様を見せるんじゃねえのかよ、ええ?
てめえもやっぱり能書きだけ1人前の所詮は卑怯なインチキ野郎か?
俺に、新しい風景を、見せてくれるんじゃねえのかよぉ。
連れてってくれよ、新しい世界によぉ。
見てえんだよ、今までと違う新しい風景がよぉ」

(チキショーッ、元ゴクの奴、なんて熱い叫びなんだよ。
ああ、見せてやるよ、新しい風景を。
もうウェアウルフに手の内を明かしても構わねえ)

俺様は遂に新必殺技を使う決心をした。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 10:58| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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