やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年06月06日

俺様とマリア volume.54 性悪女リンダ


俺様とマリア volume.54 性悪女リンダ 


 俺様の背後、花道の奥からゆっくりと現れたリンダは、小首をちょっと傾げて腕組みをしていた。相変わらず棘だらけのウニみてえに険のある口調だった。

「アンタはここから逃げ出すことなんて出来やしないよ。
アンタにはウチの坊やと闘わなくちゃいけない理由があるんだよ。
なぜかって?
ふふふ、馬鹿だね、アンタ大事なことを忘れてるよ。
ほら、アタシがさらわせてお仕置きしたじじい、
あの裏切者エディ丹前のことだよ。
まさか忘れちまった訳じゃないだろうね。
それとも何かい?
アンタは自分がカノジョとヨロシクできさえすれば、
恩人のじじいがどうなろうと知ったこっちゃないってのかい?
だとしたら、見下げた恩知らずの人でなしだよ、アンタは」

 そ、そうか、しまった。思いがけず現れたマリアに夢中になり過ぎちまって、エディのおっちゃんのことをすっかり忘れちまってた。さらわれてウェアウルフにボロ雑巾みたいにされちまったおっちゃんは、俺様が優勝して救い出してくれるのをきっと待ってるに違いない。エディのおっちゃんを見捨てることなんて、俺様にできるはずないじゃねえかよ。
 焦りまくってる俺様の背後で、リンダは神龍を上目遣いで見やりながらニヤリと笑うと、言葉を選びながらゆっくりと続けた。

「アンタがこの闘技場から出られるとすれば、2つに1つさ。
1つめは、アンタがウチの坊やに正々堂々とリングの上で勝って、
マリアとエディ丹前との3人で手に手を取って表玄関から出て行くシナリオ。
2つめは特殊部隊野郎や糞生意気なB・Bみたいにさ、
坊やにズタボロにされた挙句、救護班に裏口から搬送されて、
6丁目の無免許医の集中治療室に行くっていうシナリオ。
ははは、そうそう、もう1つシナリオが思い浮かんだよ。
手の施しようが無いほど見事にやられちゃってね、
棺桶に乗って霊柩車で退場ってのもありだよね、ククッククククッ」

 本当に性格が捻じ曲がってやがるよ、この傍若無人女は。さっきの話からすれば、エディのおっちゃんをさらうよう指示したのも、制裁をさせたのもリンダだったんだろう。自分の思い描いた通りに俺様を足止めすることができて鼻高々のリンダは、さっきあれだけ神龍にクンロクを入れられたっていうのに、また元通りの横柄な態度に戻っちまった。懲りないって言うか何と言うか、B・Bが言ってた「おばさん」ってのは、まさにリンダの横柄、傲慢、不遜で独りよがり、無神経さを一言で言い表していると、俺様は改めて感心しちまった。
 有頂天のリンダは本部先を指差して尚も続ける。

「それとね、あそこでピンスポ浴びてる綺麗な綺麗なアンタのマリア嬢。
あれはあくまでもこのトーナメントの副賞なんだからね。
優勝者、つまりウチの坊やの玩具になる予定なんだよ。
ははは、となればアンタが会えるのはこれでたぶん最後になるだろうから、
この休憩時間中によ〜く見ておいてさ、
その自慢の動体視力とやらの眼にしっかり焼き付けとくことだね。
はは、ははははは、じゃあね、根無し草のEノイズ」

 それだけ言うとリンダは、もと来た花道を悠然と腰を振るようにして歩き去っていった。俺様は怒りで全身が震えていたが、どうすることも出来ずに拳を固く握り締めて立ち尽くしていた。爪が掌に食い込んでジンジンしやがる。
 リングを挟んで反対側の本部席。ピンスポットの円の中には、リンダのせいで怯えきっちまったマリアと、苦虫を噛み潰したような顔つきの神龍がやはり無言で立っている。ウェディングドレスにタキシードの2人だったけれど、それぞれの苦痛に満ちた表情から2人が新郎新婦には見えた者は誰一人としていなかった。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 08:03| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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