やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年06月02日

俺様とマリア volume.52 マリアとの再会


俺様とマリア volume.52 マリアとの再会 


 ひょっとしたら俺様は、神龍という男の本質について、とんだ勘違いをしていたのかも知れない。誤解と言ってもいい。さっきのB・Bへのエールは、そう俺様に思わせるだけの説得力と、何よりも熱さがあった。
 こと闘いに関しては、神龍の本物を見抜く眼力は相当なものだ。それはB・Bを見る眼だけに限ったことじゃなく、花ちゃん然り、エディのおっちゃん然り、そして俺様も然り。しかも、あのゴールデン街「GBH」でのスカウトの一件もそうだけれど、自分が本物と認めた相手に対して、奴は驚くほどの素直さでリスペクトをする。奴、神龍には、純粋な強さに対する憧憬、いや崇拝に近いような感情があるのかもしれない。
 その対極にいるのが、最早第1秘書の範疇に納まりきらなくなったリンダだ。自身への利益の為なら何だって利用するし、手段など選ばない。花ちゃんがはめられたのは、どうやら一任されていたリンダが仕組んだ罠のようで、神龍の与り知らぬことだったようだ。さっきの「秘書風情が―――」という台詞から察するに、神龍は純粋な闘いを冒涜したり、必要以上に策を弄する最近のリンダを苦々しく思っているだけでなく、いつかは自分にも牙を剥くであろう獅子身中の虫と見ているのかも知れない。
 しかしながら、神龍ファミリーが新宿東口を席巻するまでの勢いを持つに至ったのは、当然力だけによるものではなく、様々な権謀術数が用いられたのも事実であり、その何パーセントかは、狡猾なリンダの描いた絵による功績なのであろう。急激に巨大化する組織の中でイニシアチブやポジションの奪い合いが起こるのは、なにもサラリーマンの専売特許ではないのである。

 さて、血だらけになっちまったリングの清掃を終えて、2回戦の最後の試合が始まったんだが、どうにもピリッとしやしねえ。でも、そりゃあそうだろう。いくらヘビー級のムエタイのランカー対幕内力士とは言え、ウェアウルフとB・Bとのレベルの差は誰が見ても一目瞭然。ダンスでも踊りながらじゃれ合ってる風に見えちまっても仕方が無い。結局、欠伸の出始めた12分26秒、金的への膝蹴りからの左ハイキックでムエタイランカーのKO勝ちとなり、準決勝2試合に備えて1時間半ほどの休憩と相成った。

「本日のディナーは、名づけて『英雄らの泡沫(うたかた)の夢』。
本来ならメインディッシュに使うはずの食材を惜しげもなく、
前菜、サラダ、スープ、ソルベにまでふんだんに使った無国籍料理です」

 リングのカクテルライトが落とされて観客席にはぼんやりとした灯がともると、静かにベートーベンのピアノソナタ28番が流れ出し、各テーブルに超高級そうなフルコースの皿が次々と運ばれ始める。試合を控えた俺様は、当然そんな胃にもたれるものを口にする訳が無い。宇宙食みたいな味も素っ気も無いゼリーを飲み込んで食事代わりにして横になっていたんだが、館内放送を聴いて俺様は跳ね起きた。

「舌でお楽しみ中のご来賓の皆様に、次は目で楽しんで頂きましょう。
新宿の誇る絶世の美女、本大会のマドンナ、マリア嬢の登場です」

 本部席の奥に四方からのスポットライトが重なり合って、純白のウェディングドレスのマリアが浮かび上がった。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 16:39| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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