やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
   maruzoh live.jpg

名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年05月21日

俺様とマリア volume.47 リンダの説教


俺様とマリア volume.47 リンダの説教 


 一流のファイターというものは、一瞬たりとも決して気を抜かない。自身がどれだけ有利であろうと細心の注意を払い、万が一の事態に備えるものだ。その点、さっきのウェアウルフには慢心、驕りがあった。完全なミステイクだ。そんな一瞬で闘いの流れは変わっちまうもんなんだ。
 しかし、しかしだ。俺様だって、あれほど完璧に決まった垂直落下式DDTを、B・Bが跳ね返そうとは思いもよらなかった。恐るべきはB・Bの強靭と言うだけでは済まされないほどのその鋼の肉体だ。ひょっとしたら神龍は、とんでもねえ奴を招き入れちまったのかも知れねえ。
 B・Bは相変わらずウェアウルフの右足首を掴んだままゆっくりと時計回りに、今度はコーナーポストに近づいていく。これをまともに食らったら、マジやばいぜ。マットならまだしも、あのゴリラみてえな力で鉄柱に叩きつけられたら、誰だって一発KOだぜ。このままいったら俺様の決勝の相手は、B・Bって目になっちまうぞ。
 俺様はさぞかしヤキモキしてるだろうと、本部席の神龍とリングサイドのリンダを見やったんだが、おいおいどうしたってんだいこの2人、呆れるほどくつろいで余裕綽々でいやがる。この体勢からの反撃はかなり難しいぜ。その自信は一体どっからきやがるんだ。B・Bがニュートラルコーナー前でピタリと止まった。

「少しは楽しませてもらったが、これでジ・エンドだ。
これで新宿は渋谷に飲み込まれちまうわけだ。
渋谷に新宿からの金の雨が降るぜ。
あばよ、狼野郎」

 そう言うとB・Bは、がっちりと掴んだウェアウルフの右足首を掲げて、先ほどより大きく振りかぶると、渾身の力を込めてコーナーの鉄柱めがけて真上から振り下ろした。ウェアウルフが串刺しになっちまう。誰もがそう思った。観客の中には正視できずに眼をそむける者もいる。

ブシュウウゥゥゥゥゥッゥ!

「えっ?うわあぁぁぁぁっ!」

 血飛沫(しぶき)と悲鳴が上がった。
観客らは一体何が起こったのかわからないでいた。が、片膝をついたB・Bが右手首を懸命に押さえて溢れ出る血を止めているのに気づき、その血飛沫と悲鳴が奴、B・Bのものであったことをようやく悟った。
 俺様には見えた。ウェアウルフは試していたんだ。いや、それどころか一方的過ぎる展開に遊んでいたのかもしれない。あの右足首、脱出しようと思えば、いつだって抜け出せたんだ。リンダが鉄格子に近づいてウェアウルフに小さく「ウエイト」と言ってから、B・Bに視線を向けた。そして、例の氷のように冷えきって歪んだ表情でニヤリと笑った。

「でかい口きいといてザマはないねえ。ええ?渋谷のチャンプさん。
アンタなんかウチの坊やがその気になれば3秒持たなかったわよ。
それをいい気になって新宿が渋谷に飲み込まれるだって?
ははは、久しぶりに笑わせてもらったわよ。
アンタらみたいなお遊びで格闘技やってる小僧は、
いい?100年経ってもウェアウルフ坊やには勝てやしないわ。
狼の最大の武器「牙」の前に右手首の大動脈曝け出しといて、
ただで済むわけなんか無いに決まってんじゃない。
ちょっと遊んでやればつけ上がるし、どうしようもない甘ちゃんだし、
アンタほんっと馬鹿ねえ、体鍛える前にもう少しお勉強したら?」

 相変わらず神経を逆なでする台詞を平気でポンポンいう女狐だが、今回はお前の言う通りかもしれねえ。B・Bが振りかぶったあの時、ウェアウルフは振り下ろされるより速く体を丸め込み、がら空きになった右手首の動脈を、その驚異的なバランス感覚と反射神経で一瞬で噛み切ったんだ。誰がそんな反撃を予測できる?そう、ウェアウルフは格闘技の常識、人間の常識で闘っちゃいけないんだ。なぜなら、奴にとってこれは、競技や闘いではなく、狩りそのものなのだから。

【To be continued.】




☆アルファポリスに挑戦☆
アルファポリスさんのランキング「Webコンテンツ」に挑戦します。「うふふ」とか「ほろっ」とか「なるほど」と感じたら、押してくださいね。

 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 11:28| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

検索
 

title.gif
maruzohは、アートビリティ作家さんを、応援します!

●ご連絡先● 〒165−0023 東京都中野区江原町2−6−7
社会福祉法人東京コロニー アートビリティ事務局内
TEL 03−5988−7155/FAX 03−3953−9461
●営業時間● 平日 9:00〜17:20 / 土・日・祝日 休業日