やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年05月02日

俺様とマリア volume.39 脳天杭打ちの攻防


俺様とマリア volume. 39 脳天杭打ちの攻防 


 宙を舞う巨漢、クラッシャー桜田。避けるか?反撃するか?それとも、受けるか? レスラーは、瞬時でそれを判断しなけりゃならない。
 一般の格闘技であれば、ここは勿論避けるべきだ。或いは、ボクシングなんかの打撃系格闘技じゃ、相手の突進力を逆利用する高等技術、カウンターという攻撃もある。
 しかし、ことプロレスに関してはそれにもう一つ、受けるという独特な選択肢が加わる。敢えて相手の攻撃を受けるのである。そりゃあ、相手の技を受ければ痛いし、そのままフォールやKOされちまう可能性も十二分にある。それなのに、なぜレスラーは敢えて相手の技を受けるのか。
 それは、自身のバンプ(受身)の技術や自信の体力、耐久力に、絶対の自信を持っているからに他ならない。そして、その自信は100%、日々の鍛錬とレスラーとしてのプライドによって培われている。基礎練習もロクにしない体がでかいだけの奴に、「プロ」レスラーを名乗る資格など、あるはずがない。繰り返すようだがプロレスとは、その鍛え上げられた想像を絶する肉体で、一般人の常識を凌駕する闘いを見せる極上のエンターテイメントなのだから。
 頭上のクラッシャー桜田は、インディーでは数少ないホンモノのプロレスラーだ。そのホンモノが、眼を血走らせて雄叫びを上げて降ってくる。

「ヒャッホ―――ッ!」

ドドドオォォォォォンッ!

「ぐはっ!」

うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ

 な、なんて衝撃なんだ。おいおい、口から内臓が全部飛び出しちまいそうだ。そして、その一瞬後に訪れたのは、ガラス片が背中に突き刺さって食い込む強烈な痛み。い、痛てえ、マジ痛てえ。思わずのけぞっちまう。

「どうだ、こいつは、効いただろ?
ひゃはははははは・・・」

 着地の際に腕に刺さったガラス片を笑顔で抜きながら立ち上がる桜田の眼は、もう完全にイっちゃってる。

「お次は、てめえの脳天にガラスをブッ刺してやる」

 桜田は俺様の髪の毛に手をかけると、ムンズと掴んで力任せに引っ張り上げた。この野郎、髪は長〜い友達、最近ちょっと気にしてるってのに、何てことしやがるんだ。
 桜田はそのまま自分の左右の足の間、つまり股座に俺様の頭を挟みこむと、ご丁寧に1度背中にスレッジハンマーを落としてから、俺様の胴に手を回した。パワーボムの体勢か?いや、脳天って言ってたんだから、こいつはパイルドライバー、別名「脳天杭打ち」に違いねえ。しかし、切り立ったガラス片の上に脳天打ちつけられるなんて冗談じゃねえぜ。

「お陀仏しな、ひゃははははははは・・・」

 桜田がぐっと腰を落として俺様を持ち上げにかかる。つま先が地面から離れようとするのをぐぐっと堪えて、俺様は負けじと踏ん張る。そして、逆に俺様は背中越しにリバーススープレックスで投げ返そうと力を込める。今度は桜田が踏ん張って堪える。それが2度3度と繰り返された。

「ち、畜生、こんなチンケな野郎が、
な、なぜ持ち上がらねえっ!」

 体重差40キロ以上、体格は三回りも違うってえのに、互角の力比べをして俺様が引かねえものだから、桜田も大分焦ってやがる。こめかみの青筋がじゅんさいのように膨れ上がる。

「このクソガキがあぁっ、ふんぬうぅぅぅぅぅぅっ!」

桜田は更に力を込めて俺様を引っこ抜きにかかった。しかし俺様はそれを許さない。桜田は顔面を真っ赤にして滝のような汗だ。俺様ももう汗みずく。畜生、汗が体中から噴出すものだから、ガラスで無数にえぐられた傷口にしみやがる。観客の拳にも力が入る。会場のボルテージも上がりっ放しだ。

「ブン投げろ――っ!」

「ガラスまみれにしてやれ――っ!」

 一進一退の後、やがて桜田が片足立ちになり、そして、その両足が宙をバタバタと蹴り始めた。

「だっしゃああああああぁぁぁぁっぁぁぁっ!」

 気合一声、俺様は桜田を背後に投げ捨てた。リバーススープレックスだ。

ズズウゥゥゥゥゥゥン

「ぐはっ・・・」

 むくっと上半身を上げたクラッシャー桜田は、信じられないと言う風に振り返って俺様を見た。そこにはガラスのリングに叩きつけられたダメージというより、こんな細身の男に力負けしたという精神的なダメージに打ちひしがれた男の怯えが微かに浮かび上がっていた。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 09:06| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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