やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年04月30日

俺様とマリア volume.38 恍惚のクラッシャー桜田


俺様とマリア volume.38 恍惚のクラッシャー桜田 


 レスラーにとって理想的な体型と言うのは、しなやかで柔らかい筋肉の上に適度な脂肪が乗っている体と言われている。一方、所謂マッチョマンのような見てくれが良い体型ってのは、一定方向に使う筋肉は発達するけれど、瞬時にしてあらゆる方向への反応を求められる実戦には、とても向いているとは言い難い。
 しかも、闘いの中では当然投げられたり蹴られたりする。その衝撃の緩和には、ある程度の脂肪は必要不可欠な訳で、俺様が未だに故ジャンボ鶴田氏と故ブルーザー・ブロディ氏が最強だと言い続けるのは、あの理想的な体型に拠るところも、多いのである。
 で、このクラッシャー桜田はと言うと、まさにそんな体型をしていやがるんだ。腕力の強さは、腕の太さとは決して比例しないけど、桜田のおっちゃんもけっしてマッチョな腕ではないにも拘らず力はあの剛竜山に引けは取らないし、嫌らしく小刻みに入れてくるヘッドバットが意外と効いて、ロックアップ後の力比べではちょいと分が悪い。俺様の体は徐々に後ろに反り返らされていく。

「ほら、どうした。お前の力は、そんなもんか?」

「ぐあっ!」

 更に力を込めてくる桜田が例の如くニヤニヤ笑って、片膝をつきかけた俺様に言った。

「ほぉら、お前の膝の下、
割れたビール瓶の底が剣山みたいになって、
今にもぐさりと突き刺さりそうだぜぇ。
ひぇっひぇっひぇっ・・・」

 おっと危ねえ!普通のルールじゃねえんだ。クラッシュド・グラス・デスマッチだってこと、忘れちゃいけねえよ。リングの上は夥しいガラス片で覆われているんだった。

「こなくそぉぉぉぉ!」

 と、俺様が力を振り絞って桜田を押し返そうとしたまさにその瞬間、桜田は絶妙のタイミングで俺様を引っ張り込むやすかさずグリップを切って、開いちまった俺様の脇に相撲の双差しのように両手を突っ込む。そして今度は、俺様の背中の後ろで両手をがっちりとロックさせた。

(や、やべえ・・・)

 と思ったその刹那、クラッシャー桜田はその体型からは想像出来ないような柔軟さで、綺麗なアーチを描くように俺様を反り投げた。ベリー・トゥ・ベリー。所謂、フロント・スープレックスだ。

ドッスン ダンッ ダダンッ

うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ・・・

 俺様の体は信じられないほどの速さで桜田の後方のマットに叩きつけられて、ガラスまみれのマットで大きく2度バウンドした。観客が大きくどよめいている。

「うわぁ!痛っててててぇぇぇぇぇっ!」

 俺様の背中にはTシャツを突き破ったガラス片が、恐らく星の数ほど突き刺さっているのだろう。こいつは、ハンパじゃない痛さだ。プロレスは、インチキだの八百長だのの無責任な台詞は、1回でもデスマッチをやってみてから言って欲しいもんだぜ。デスマッチってのは、本当に死と隣り合わせの試合、死闘なんだから・・・
 のた打ち回ってる俺様の視界ににやけた桜田が現れた。桜田もやっぱり血だらけだ。そりゃそうだろう。スープレックスの場合、投げた本人だって相当な勢いで倒れこむんだから、そりゃ血も出るわ。しかし、桜田にダメージは全く無い。

「ひぇっひぇっひぇっひぇっひぇっ・・・」

 むしろそれどころか、血を見た桜田のおっちゃんはハイテンションになっちまって、恍惚の表情はまるでラリっちまってるようだ。

「Eノイズ、デスマッチは楽しいだろ?
ひぇっひぇっひぇっ、楽しいよなぁ。
じゃあお次は、ボディープレスのプレゼントといくか」

ダダダダダダダッ

 公称113キロのクラッシャー桜田が、まだ立ち上がれない俺様に全体重をかけたフライングボディープレスを仕掛けようとロープワークで助走をつけ始めた。畜生、そんなことされようモンなら、背中に刺さったガラスが体の奥までめり込んじまうぜ。しかし、体をじたばたさせる度に新しいガラス片が、手だの足だのにまた刺さってくるから堪らない。

ダンッ!

「ひゃっほ―――ぅ!」

 眼を剥いた桜田が、狂ったような笑顔で大きく跳び上がった。

【To be continued.】




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 現代小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 08:19| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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