やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年03月10日

俺様とマリア volume.2 垂直落下式DDT


俺様とマリア volume.2 垂直落下式DDT


「おい、神龍さんとやら、
どう見ても、いかつい兄ちゃんたちが、
女子供をいたぶる姿は、カッコいいもんじゃねえぜ」

 俺様は安物のフェンダーもどきのギターをコンクリートの壁に立てかけると、ゆっくりと1歩、また1歩と、神龍との間を詰めていった。子分どもが駆けてきて人垣を作って凄んでみせる。
 神龍はその後ろで余裕の表情だ。「ふん」と鼻を鳴らすと、ポマードでべたべたの髪を銀の櫛で撫で付けながらこう言った。

「ほう、面白れえじゃねえか。
めったにお目にかかれねえ絶滅危惧種『正義の味方』のお出ましか。
しかしなぁ、あいにくここは新宿だ。
悪魔や鬼は掃いて捨てるほどいても、
正義の神様は、とうの昔に逃げ出しちまったんだよ。
ふふふ、俺のことを知らねえところを見ると、
大方どっかの田舎から流れ着いた世間知らずだろうが、
この街じゃ、こういう方々には関わりにならねえ方が見の為だぜ」

 それを聞いて子分たちが、例の下品な笑い声をクックッと立てる。

「まあ、田舎モンが都会の礼儀を知るいい機会だ。
死なねえ程度に相手してやんな!」

 神龍の号令と同時に美女を捕まえている大男と剃刀の竜以外の4人が、一斉に俺様に飛び掛かってきた。

「なめんじゃねえぞ、こら」「うおおぉぉぉぉ」「おりゃあぁぁぁぁ」

 縞のシャツを着た金髪男のパンチを軽くかわすと、横からダボシャツに腹巻の男の蹴りが飛んできた。それを左手でガードしながら、俺様は軸足を水面蹴りで払う。肩口から倒れこんだダボシャツにとどめを刺そうとすると、今度は後ろからパンチ。俺様はそれを咄嗟に前転しながらかわす。そして、そのロン毛サングラスの男に向けて振り向きざま、3歩の助走から空中姿勢も華麗にミル・マスカラス張りのフライング・ボディー・アタック!

ザザッ ドシャァァァ! ガガガッ!

「う、うぐっ」

 サングラス男は後頭部をコンクリートにしたたか打ち付け、3度ほど痙攣すると失神した。

「まずは、1匹」

 俺様は膝のほこりを払うと人差し指を空にかざした。月明かりの中のその姿は、コーナーポスト最上段でシューティングポーズを決める初代タイガーマスクを彷彿させる。

「なにをもたもたしてやがる!
とっとと、たたんじまえ!」

 兄貴分の剃刀の竜がいきり立っている。しかし、俺様は剃刀の竜には目もくれず、さっき脚を蹴られ片膝をついたダボシャツの男めがけ脱兎のように駆け出した。

タッタッタッ  グワシャアァァ!

 シャイニングウイザード、閃光魔術一閃!ダボシャツ男は、血へどを吐きながらもんどりうって倒れる。

「へへへ、2匹目」

 俺様は指を2本突き上げて、「ウイ――――ッ!」と雄叫びを上げた。勿論、スタン・ハンセンのテキサス ロングホーンに決まってる。
 剃刀の竜は、額の青筋をピクピクさせ、

「剛力山、お前が行けえぇぇ!!」

 とわめき散らした。

 剛力山と呼ばれた着流しの大男は、つかまえていた美女を他の子分に預けると、不敵に笑いながら前に進み出た。しかし、近くで見るとマジでかい。力士上がりに違いない。1メーター90はあろうかという身長と120キロはくだらない体重。ぷうんと鬢付け油の香りがした。しかも、よほど喧嘩に自信があるのだろう、前の二人のやられぶりをみても何ら動じるところがない。

ブン ブン ブンッ

 剛力山の丸太のような腕から繰り出される突っ張りをウィービングでかわした俺様が、奴の懐に潜り込もうとしたその刹那、

ガガッ!

 張り手はフェイントだった。剛力山がいきなり組み合ってきた。左四つ。す、すげえ力だ!このままじゃやばい、倒されちまう。しかたねえ、ここは一丁本気を出すとするか。やおら俺様は、右手を剛力山の太い首に巻きつけ、奴の帯に左手をかけた。この体勢は、

「ば、馬鹿が何考えてやがる・・・
ご、剛力山にブレンバスターだとぉ?」

「ダッシャ―――――――ッ!!!」

 剃刀の竜の言葉とは裏腹に気合一声、剛力山の足が僅かに地面から浮く。奴は足をバタバタさせ、持ち上げられまいと踏ん張る。

「デイヤ――――――――ッ!!!!!!」

 さらに、もう一声。奴の体が45度の角度まで持ち上げられ、そしてやがてそれは地面に垂直になり、ぴたりと静止した。

「ま、まさか・・・」

 剃刀の竜の声が、かすかに震えている。

「ウッシャアァァァァァ―――ッ!」

グゴガゴグワシャアァァァァ!!!!

 剛力山の頭はコンクリートにめり込み、一言も発せぬまま血の海の中、奴は轟沈した。
 目の前で起きた出来事が信じられず、呆然として口から葉巻を落としちまった神龍の顔には、もう余裕の笑みなんて何処にも無い。

「い、いや、違うぞ剃刀の竜。
こいつぁあ、ブレンバスターなんかじゃねえ。
故橋本真也氏以外、いまだ使い手の現れない伝説の荒技、
す、垂直落下式DDTだ・・・」

【To be continued.】




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 大衆娯楽小説 俺様とマリア

posted by maruzoh at 07:49| Comment(0) | ◆俺様とマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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