やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
   maruzoh live.jpg

名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年01月25日

王様 対 皇帝 第75回 MARUZOHくんの叫び


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第75回 MARUZOHくんの叫び 


「ま、まさかもう1丁隠し持っていたとは・・・」

 小型拳銃に気づいたゲッベルスが一歩後退りました。しかし、ガルル皇帝の手にした小型拳銃の銃口は一直線に斜め上、皇帝自身のこめかみに向かっていきます。MARUZOHくんが身を乗り出して叫びました。

「や、やめるんだ、ガルルさんっ!」

 皇帝の手がピクリと反応します。

「そんなことをしたって、何の解決にもならない。
ましてや、そんなことが罪の償いなんかになるもんか。
あなたがやるべきことはそんなことじゃない。
あなたには、まだまだやるべきことがたくさんあるはずです」

中途で止まった右手の銃口を天井に向けたまま、皇帝が尋ねました。

「私にやるべきこと?」

「そうです、あなたには皇帝として帝国民を守る義務がある。
あなたを信じて乗船した人たちを守る責任が。
そう、今のあなたが帝国民を守るためにできるただ一つのことは、
世論からの批判、誹り、憎しみをその一身に受けて、
帝国民のために法廷で真実を証言することではないのですか?」

「・・・・・・」

 皇帝は無言のままでしたが、拳銃を握った右手は、まだじりじりとこめかみに近づきはじめています。

「あなたは本当の自分を取り戻したんじゃないのですか?
弱かった自分と決別をしたんでしょう?
だからこそ帝国民に謝罪と、感謝をしたんです。
だったら新しい自分として、またやり直すべきです。
あなたが今できる精一杯のことを。
自決による最期なんか、格好をつけているだけで、
ただ目の前の現実から逃げ出そうとしてるだけじゃないですか。
そんなの、今までの芝居がかったガルル皇帝と全く同じです。
弱さや脆さで人を傷つけていたあなたと何ら変わらない。
いや、それどころじゃない。
正一くんの病状から目を逸らしたあの日のあなたと同じだ。
ガルルさん、あなたは、また逃げるんですか!
あなたは・・・
あなたは、正一くんと奥さんの為にも、もっと強くなるべきだ。
いや、強く生きなければならないはずです」

 こめかみに達しようとしていたガルル皇帝の右手が再び止まり、そして暫くすると、それはゆっくりと脱力したように下ろされてゆきました。皇帝はひとつ大きく息を吐き出すと、小型拳銃をデスクにコトリと置いて、傍らのマレンゴに目配せをしました。及び腰で拳銃を受け取ったマレンゴが、ちらりとMARUZOHくんを伺います。MARUZOHくんも大きくふうっと息をついて、額の汗を拭いました。

「ガルルさん、始まりなんです。
これからが、本当の始まりなんですよ」

《つづく》


※本サイトの作品は、アルファポリス「webコンテンツ」、にほんブログ村「現代小説」ランキング、人気ブログランキング「現代小説」に参加しています。宜しければ、クリックお願い致します。

 人気ブログランキングへ  にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ



posted by maruzoh at 08:25| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

検索
 

title.gif
maruzohは、アートビリティ作家さんを、応援します!

●ご連絡先● 〒165−0023 東京都中野区江原町2−6−7
社会福祉法人東京コロニー アートビリティ事務局内
TEL 03−5988−7155/FAX 03−3953−9461
●営業時間● 平日 9:00〜17:20 / 土・日・祝日 休業日