やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年01月08日

王様 対 皇帝 第70回 皇帝の罪 心丸の罰


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第70回 皇帝の罪 心丸の罰 


 しんと静まり返った大海原。千年帝国全艦のスピーカーから流れた、ガルル皇帝がまさに思い出と共に絞り出したような声は、帝国民やMARUZOHくんらの心に大きな驚きと悲しみを残し、そして潮風に乗って水平線の彼方に消えてゆきました。

「私のせいで船底をカギ裂きにされてしまった心丸は、
徐々にその巨体を海中に沈めていったんだが、
私はとんだ失敗をしてしまったんだ・・・」

「し、失敗って?」

 タカシくんの問いかけに、皇帝は無理して笑顔を作りました。

「ああ、とんでもない失敗だ。
さっき私は、この船を海溝に沈めてしまうと言ったね。
それは、証拠を消し去ってしまうためだとも言った。
ところが、この時の心丸の沈む場所は、海峡の岩礁地帯。
それも世界有数の危険地帯ときている。
水面下は船底ぎりぎりの岩場で、極めて浅い海ということだ。
つまりは・・・」

「丸々そのまんま、証拠が全て残ってしまったということか・・・」

マレンゴの言葉に皇帝はゆっくりと頷き続けました。

「近くを航行中の貨物船がSOS信号を受信してくれて、
幸い心丸のクルー8人は全員無事救助された・・・
でも、汚い私の考えはやはり許されるべきものではなかったんだ。
不慮の事故を装い多額の保険金で心丸を再建するという、
保険金詐欺が実行できるのはあの地域しかないと、
私はそこまで考えていたのだから・・・」

 ゲッベルスが口を開きかけましたが、横に小さく首を振ると溜息をついてまた閉じました。

「沈没に関する調査が進むに従って、
残された証拠との矛盾点が次々に露見していき、
ついには、大規模な密輸事件であるとの疑いで、
我々はF国に連れ戻され、警察当局に拘留されたんだ。
そして、裁判の結果、私以外の7人への実刑判決が下った。
F国はご存知のとおり、麻薬は相当な厳罰だ。
仲間はばらばらに各地の刑務所に投獄されたらしい・・・
しかし、あろうことか船を沈めた張本人のこの私は、
密輸を未然に防いだ英雄として、無罪を言い渡されたんだ。
信じられるかい、この私がだよ。
そりゃあ、麻薬の原料の密輸なんて、あってはならないことだ。
でも、行き過ぎたとは言え、仲間の善意、決意を踏みにじり、
その上、心丸という仲間みんなの夢をぶち壊した私が、
のうのうとしていられる、しかも英雄だなんて。
な、仲間は、檻の中だっていうのに・・・
私は気が狂ってしまいそうだったよ、本当に。
荒れ果てて、酒に溺れて・・・
日本にも帰らなかったそんな私に手紙が届いたんだ。
居所がわからずいろんなところを経由したんだろう、
消印は随分前の日付だった。
そう、日本の妻からの手紙だよ」

《つづく》


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posted by maruzoh at 09:07| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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