やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年01月03日

王様 対 皇帝 第65回 M国からの電話


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第65回 M国からの電話 


 ガルル皇帝はこの狭い皇帝執務室に居ながら、その視線はまるで、何処か遥か遠い場所を見つめているようでした。

「あの日・・・
秋だって言うのに、馬鹿みたいに暑かったあの日。
私はエアコンも無い心丸事務所のプレハブで、
朝から汗だくになって、あちこちのお得意さんに電話を架けていたんだ。
ようやく一段落ついた午後、電話が鳴った。
心丸の仲間からの国際電話だった。
奴らは東南アジアのM国から積荷を積んで
出航しようとしているところだったんだよ・・・」

            ☆

「もしもし、こちらは快晴、海も実に穏やかだ。
予定通りの積荷を載せて心丸は、
M国を定時の10時00分に出航予定だ」

「了解した。
無事の航海を祈る。
みんな変わらずに元気か?」

「ああ、相変わらずだ。
二日酔いが2名ほどいるがな。
はっはっはっはっは・・
ところで・・・
正ちゃんの様子は、どうだ?」

「うん・・・
こちらも、相変わらずと言ったところかな。
薬が効いているのか、今は落ち着いているようだ・・・」

「しかし、薬で抑えてるだけで、
治ったわけじゃないんだから、
お前たち夫婦も気が休まらんだろう・・・」

「・・・・・・・・」

「す、すまない。
余計なことを言ってしまったようだ。
悪気はないんだ、許してくれ。
俺達も・・・
俺達も、正ちゃんの力になりたいんだ・・・」

「いや、いいんだ。ありがとう。
気にしちゃいないよ・・・
でも、物事にはな、
どう足掻いたところで、
どうしようもないってことが、あるんだよ。
俺達は正一と残された時間を・・・」

「な、何を言ってるんだ、馬鹿野郎っ!
諦めちゃ駄目だ。
親のお前が、そんなんでどうするんだ。
正ちゃんは、懸命に頑張っているんだぞ!
絶対に、絶対に諦めちゃ駄目だ。
実は・・・
お前には内緒にしていたんだがな、
俺達に、ちょっとした考えがあるんだ。
お前も知っている通りこの積荷は、
このM国からF国に向って、荷を積み替えてから日本に戻る。
で、そのF国でな・・・
い、いや、なんでもない。
なんでもないんだ・・・・
つまらん話をして、すまなかった。
じゃ、じゃあな・・・」

            ☆

「F国で・・・、という言葉を最後に、
奴からの電話は、がちゃりと切られてしまったんだ。
でも、その時の奴の台詞を反芻する度に、
私の心の中には、きな臭い不安がむくむくと頭をもたげて、
背筋には冷たいいやな汗が幾筋も流れ出してしまい、
胸騒ぎを抑え切れなかったんだよ」

《つづく》



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posted by maruzoh at 12:02| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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