やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2012年01月02日

王様 対 皇帝 第64回 正一くんの病


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第64回  正一くんの病 


 タカシくんが泣きそうな顔をしています。

「正一くん、どうしたの・・・」

 MARUZOHくんやマレンゴ、その他の誰もが、じっとガルル皇帝を見つめて、その答えを待っています。

「正一はね・・・
その写真を撮った直後の夏休みのある日、
野球の練習中にね、
突然、倒れてしまったんだ・・・」

「びょ、病気だったの?」

 タカシくんの問いに、皇帝は目を閉じて、そして、ゆっくりと頷きました。皇帝は、なかなか声を出すことができません。暫くの後、再び話し出した皇帝の目には、また薄っすらと涙が滲んでいました。

「とてもね・・・
珍しい心臓の病気だったんだ。
倒れる以前からだいぶ苦しかったろうに、
よほどキャッチャーがやりたかったんだろうね。
正一は、おじさんたちには、そんな素振り・・・、
おくびにも出さなかったんだよ。
情けないよね・・・
おじさんたちは、親であるのに、
それに気づいてあげられなかったんだ・・・」

 執務室ばかりでなく、艦内全体が静まり返っています。ガルル皇帝は続けました。

「正一は、すぐに入院したんだけれど、
お医者の先生からおじさんたちが聞かされたのは・・・
正一は、また、いつ発作が起きても不思議でない状態で、
しかも、次の発作では命の保証はできないということと・・・
正一を助けるのには、
なるべく早く海外で手術を受けるしか方法がなくって、
それには、とてつもなく莫大な費用が掛かる・・・
と、いうことだったんだ。
貨物船の借金がまだ山ほどあって
キャッチャーミットを買うのがやっとのおじさんに、
そんなお金はあるはずもないし、
そんなおじさんにお金を貸してくれる人なんか、
何処を探したって、誰もいやしなかったよ・・・
おじさんたち夫婦はね、
正一の為に何もしてあげられない自分たちが本当に情けなくってね。
正一の病室では毎日、2人とも明るく振る舞っていたんだけどね、
病室を出たら、全く口をきかなくなってしまったよ・・・」

 口篭ってしまった皇帝に、MARUZOHくんがふいに質しました。

「毎日、お見舞に行っていたということは、
その頃ガルルさんは心丸に乗っていなかったんですか?」

「ああ、小型貨物とは言え、航路は外国が主だったから、
1度乗ってしまったら2〜3ヶ月戻れないのはザラだったんだ。
仲間がいろいろ気を使ってくれてね、
私は国内に残って営業的な仕事をやらせてもらっていた・・・
仲間、心丸のクルーは、全員が心丸の共同出資者だったんだ。
元々は別の大きな船で知り合った奴らなんだが、
みんな本当に、いい奴ばかりでね。
夢みたいな話なんだけれど、この心丸を元にして、
いずれは理想とする企業を超えた洋上のコミニュティを創ろうってね、
そんな話をクソ真面目にしていた連中だったよ・・・
ふふふ、まるで君らのココロニア王国みたいなお話さ」

 ガルル皇帝は、MARUZOHくんに、笑いかけました。

「しかしね・・・
奴らは、いい奴ら過ぎたんだよ、きっとね・・・」

《つづく》



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posted by maruzoh at 10:12| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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