やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月31日

王様 対 皇帝 第62回 皇帝の出した条件


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第62回 皇帝の出した条件  


 タカシくんは、ガルル皇帝のデスクまで進むと続けました。

「ガルルのおじさん。
あの子のお話をして。
あの、写真の子のお話を・・・」

 ガルル皇帝は暫く無言でいましたが、やがてタカシくんに尋ねました。

「うん、いいだろう、話そう。
ただ・・、その前に条件がある。
一つだけ、おじさんからの質問だ」

タカシくんがきょとんとした顔つきで聞き入っています。

「さっき架電室でお前は言ったね。
ゲッベルスでさえ答えられなかった質問、
私とココロニア国王の大きな違い。
それが何かを簡単に答えられると・・・」

 タカシくんはにこっと笑って、大きく頷きます。

「うん。
答えられるよ、簡単さ」

 皇帝だけではありません。さっき架電室で玉の汗を流して思案した挙句、何も答えられなかったゲッベルスや、それを横で冷や冷やしながら見ていたヒムラーも、これには興味深そうに聞き入っています。
 そんな大人たちの視線をものともせずに、タカシくんはシャンと背伸びをして言いました。

「ココロニアの王様には、
僕のお父さんや、源さんや、文部大臣さんや、
ほかにもお友達がいっぱいいて、
王様もお友達も、何をするにしても、みんな楽しそうなんだ。
そんなのって、仲間って言うのかな?
でも・・・
さっきまでのおじさんは、全然違った。
おじさんの周りには、いつもいっぱい人がいるけれど、
誰も楽しそうじゃなかったもの・・・
みんなおじさんを怖がって、仲間のふりをしていただけなんだ。
おじさん、教えてくれたよね?
シハイする者と、される者がいるって。
おじさんは周りの人を怖がらせたり、お金をあげたりして、
本当はよそを向きたい人たちを、
無理矢理おじさんの方に振り向かせていた。
でも、ココロニアの王様は違うんだ。
自分の方を向かせてるんじゃない。
みんなの向いている方、向きたい方を見ると、
いつでも、そこに笑ってる王様がいるんだ」

 ガルル皇帝はタカシくんの言葉を聞くと、目をつぶったまま天を仰いで、深く、深く息を吸い込みました。そして、それを大きく吐き出してから、目尻の辺りを拳で拭いました。

「恐れ入ったな、返す言葉も無い・・・」

 それから皇帝は、あの写真を取り出して少しの間眺めると、皇帝の真正面、デスクのマイクスタンドにそれを立て掛けました。

「約束だ、話をしよう。
正一と、そして、心丸の話を・・・」

《つづく》



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posted by maruzoh at 09:06| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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