やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月22日

王様 対 皇帝 第53回 千年帝国の理想


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第53回 千年帝国の理想 


 ガルル皇帝は、MARUZOHくんのその堂々とした態度がよほど癪に障ったのでしょう。大股のままソファーから身を乗り出してMARUZOHくんの顔を下から睨めつけると、次の瞬間、ダンッと足を踏み鳴らして、その場にすっくと立ち上がりました。

「モノの道理のわからぬ小学1年生なら、
まあ、許しもしてもやろう。
しかし、父親を非難されたとは言え、
我輩の目が節穴などとほざいた上に、
言うに事欠いて、我輩を、ガルル・・さん、だと?
貴様ぁ、皇帝たる我輩に向かい、何様のつもりだぁ!」

 背丈の高いガルル皇帝はMARUZOHくんを上から見下ろすようにして近づき、例のその部屋全体の空気がビリビリと震えてしまうような自慢の大声で恫喝しました。ところが、MARUZOHくんは、全く動じません。

「貴方は、言いましたね。
この千年帝国の繁栄が見えないか、と・・・
僕は、逆に、貴方に問いたい。
これが・・、この船での生活が、
貴方にとって繁栄だと言うべきものですか?
そして僕は、更に貴方に問います。
貴方にとっての繁栄とは、千年帝国にとっての、
民にとっての、真の繁栄だと思っておいでですか?」

 ふんっ、とガルル皇帝の鼻が鳴りました。

「またまた青臭い理想論を持ち出しよって。
大方、熱田に吹き込まれたんだろうが、
ふふ、面白い、貴様の議論に乗ってやろうじゃないか」

 皇帝は大股でソファーとは反対方向に歩き出し、くるりと振り返って3人を見据えると続けました。勿論、銃口は向けたままでです。

「我が帝国は、繁栄している。
これは、疑いのない事実である。
我が帝国民の平均所得は、
不況に喘ぐ日本国の水準の1.5倍以上あるし、
人口の増加率は、まさにうなぎ上りだ。
中規模の客船だったこの船の設計を十分に利用し、
我が千年帝国には、医療施設に、娯楽施設、
大食堂や喫茶室、美容院までもが完備している。
また、各帝国民には階級に合わせて
住居である元船室の個室が貸与されている。
我が帝国は、完全な実力主義であるから、
陸(おか)での肩書きなんぞ、なんの関係も無い。
収益を上げてどんどん出世をすれば、
莫大な収入を得ることも出来る。
旧一等船室での豪華な暮らしも夢ではないのだ。
その夢が、欲が、民の更なる努力を喚起させ、
富を得て、より上級の暮らしを得る為に民は業務に励む。
これは言わば、我輩が確立した、システムなのだ。
このシステムに基づき千年帝国は、帝国民は富を得て、
今後も、どんどん発展していく。
どうかね?ココロニアのお坊ちゃん。
貴様らのココロニア王国は、
国民の為にこれだけの施設を準備しているか?
確立されたシステムによる利益の配当はあるか?
国民は国の為、国王の為に、懸命に働いているか?
いや、決しそうではあるまい。
行き当たりばったりの甘ちゃん国家ココロニアには、
計画性も、理想とする国家の未来像も、
そんな崇高なものなどあるはずなどないわ」

 まさに捲くし立てると言った風なガルル皇帝でしたが、不思議とMARUZOHくんの眼には、焦りも、戸惑いも、怒りすらありません。普通ならガルル皇帝にこれだけのことを言われたのです。反論の1つもするところなのでしょうが、MARUZOHくんは、さきほどのタカシくんの言葉、そう、あの「おじさんは、可哀想だね」という一言で、全てが判ってしまったような気がしていたのです。そして、今の皇帝が言った言葉のほとんどは、その思いを裏打ちするような言葉だったのでした。

「では、ガルルさん。
貴方の言う帝国にとっての理想とする未来像とは、
いったいどんな国家なんですか?
民はどんな暮らしで、どんな喜びを得るのですか?」

 ガルル皇帝は、にやりと笑いました。

「それこそが、我輩と貴様の親父とが、決定的に違うところよ。
これからが本題だ、よおく聞いておくがいい」

《つづく》



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posted by maruzoh at 08:45| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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