やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月18日

王様 対 皇帝 第49回 王国への電話


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第49回 王国への電話 


「はい、MARUZOHです。
ええ、無事です。
タカシくんも、至って元気です。
ええ・・、ええ・・、そうです・・。
はい・・・
ちょ、ちょっと待ってください。
そんなことより父を、父を早急にお願いします。
極めて緊急を要する大事な連絡があるのです」

 ガルル皇帝の執務室からの電話は、ここが洋上であることを忘れてしまうほど、驚くほど鮮明に、ココロニア王宮に伝わりました。

「ぱたぱたたたたたたた・・・」

 電話を取り次いだ環境大臣は、タカシくんのことがあんまり心配でしたので、公務を忘れて安否をしきりに聞いていたのですが、MARUZOHくんに緊急事態だと諭されてはっとすると、慌てて受話器を握り締めて王様を呼びに駆け出しました。その足音が、受話器を通じて聞こえてきます。

「おお、丸蔵か、無事で何よりだ。
話は執事長と源さんからの無線で粗方聞いている。
CDはもうコピー済みだから、いつでも渡せるんだが、
肝心の船がもう、1隻もないのだよ・・・
タカシくんのピンチと聞くや、お前も含めて全員が全員、
みんな後先考えずに、すっ飛んでいってしまったからな。
情に厚過ぎて、おまけに熱血的っていうのも、
くくく、これはちと考えもんだな・・・」

 王様の話を聞いてMARUZOHくんは、乗船の術も考えず危険なバリアに突入してしまった自分も、やっぱり猪突猛進の典型的なココロニア国民なんだなあと、思わず苦笑いしてしまいました。

「ココロニア号には、だいぶ無理をさせてしまったので、
本当は少し休ませてあげたいところなんですが・・・」

「そうそう、源さんもそう言っておった。
それで思うようにスピードが出ないらしい。
ガルルの奴も、CDが手元にもどるまで、
気が気じゃなくってイライラのし通しだろうな」

 皇帝執務室の3人には、時間に余裕があるわけではありません。話がガルル皇帝に及んだところで、MARUZOHくんは王様を制して本題に移りました。すなわち、先程のマレンゴとの打合せの通りに以下のことを順序良く王様に話したのです。
 まず、帝国の親衛隊は総勢80名もいて、それぞれがライフルやピストルで武装していること。
それはまさに、軍隊そのものの集団であって、スクリューを壊すような奇襲は成功したとしても、まともに正面からぶつかったら、まるで勝負にならず、つまりは、ココロニア国王は日本国警察に即刻協力を要請するべきだということ。
 そして、最後に、MARUZOHくんは、帝国の母艦には、ゲッベルスやヒムラー、そしてマレンゴを始めとする機関室員ら、総勢14人もの力強い仲間たちが出来て、行動を共にしていることを王様に伝えました。

「よし、わかった。
ここはひとつ、ココロニア国王としてではなく、
日本国地方自治体『ココロニア王国村』の村長、
熱田海蔵として、警察に全面協力を要請するとしよう」 ※注

 決断をした時の王様は、実に迅速です。いつもののんびりとした王様とはちょっと違うのです。それでも、慌てずにどっしりと構えているのは、流石に一国の国王と言うべきでしょう。イライラして部下に当り散らしている誰かさんとは、やっぱり、何か、器の大きさが違うような気がします。
 MARUZOHくんは、一頻り話すと、静かに受話器を置いて、ふうっとひとつ、深い息をつきました。マレンゴが、ポンと肩を叩きます。

「よしっ、後は援軍を待つばかりだ。
それまでは悔しいが、親衛隊から逃れて
目立たず大人しくしているとしよう」

「新たなアジト探しですね」

「その通りだ、ここはすぐにでも出なきゃ。
いつガルルが戻ってこないとも限らんからな」

 と、その時でした。
音もなく静かにドアが開いたと思うと、逆光の中から、大柄な人影が現れ、ゆっくりと、こう言いました。

「ほう、これは面白い。
先程のゲッベルスと言い、最近、千年帝国内では、
我輩のことを呼び捨てにするのが、流行っているらしいな」

「ま、まさか」

 ドキリとしたMARUZOHくんとマレンゴは、思わず、顔を見合わせてしまいました。タカシくんも、驚いて振り向いています。

「我輩としては、やはり敬意を表して
ガルル皇帝と呼んで欲しいものだな・・・」

 逆光の中の残忍そうな語り口調の声の主は、ガルル皇帝、その人でした。

《つづく》


※注 こころ王国episode1「まりなさんと王様」参照
ココロニア王国村とは、現在日本国に独立を申請中の東京都下伊豆諸島にある村の正式名称です。



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posted by maruzoh at 07:39| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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