やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
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   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月16日

王様 対 皇帝 第47回 電話急げ


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第回 電話急げ 


 マレンゴたち3人は、(とは言え、タカシくんは袋の中ですが・・)敢えて堂々と、真正面を見据えて最上階への階段をずんずん進んで行きましたが、どうやら最上階は、蛻(もぬけ)の殻。しいんと、不気味なほど静まり返っていました。

「よし、いいぞ。
みんなスクリューの修理に掛かりっきりと見える」

「架電室は、右でしたよね」

「そうそう。向こうのドアだよぉ」

 誰もいないと分かると、タカシくんがいつものように麻袋から顔を出します。

「鬼の居ぬ間に、ココロニア国王に連絡だ。
さあ、MARUZOHくん、急いで!」

 マレンゴに急かされてMARUZOHくんが架電室のドアを開けると、そこには、パーテーションで仕切られたテーブルの上、20台近くの電話機がずらりと並んでいました。一見すると、なんの変哲も無い営業会社のようですが、これらが振り込め詐欺に使用されていることをCDロムで知っているMARUZOHくんには、この部屋から何か、とてつもない邪悪な空気が感じられるようでなりませんでした。

ガチャリ

 MARUZOHくんは、一番近くの受話器を取り上げて耳に当てましたが、受話器を見つめて「おや?」という具合に首を捻りました。そしてそれを元に戻して、更に幾つかの受話器を取り上げたのですが、やはり浮かない顔で首を横に小さく振るとマレンゴに言いました。

「マレンゴさん、駄目です。
どれも、繋がっていません・・・」

「えっ?」

 マレンゴは、MARUZOHくんと同じようにして、幾つも受話器を上げましたが、「くそっ」と言って、それをガシャンと荒々しく戻しました。

「すまん、迂闊だった。
ガルルの命令でスクリューの修理のために
母艦の主エンジンを止めていたんだった。
今みたいに予備エンジンの場合、電力が不足するので
航行に必要な最低限度しか供給されていないんだ。
つまり、架電室の電話機までは・・・・」

 マレンゴは、もう1度「すまん」と言って、頭を下げました。MARUZOHくんは、それを遮ってマレンゴに聞きます。

「でも、この状況でも・・・
いえ、こういう状況だからこそ、
電話の繋がる場所もあるんじゃないですか?
例えば、緊急事態のための回線だとか・・・」

 マレンゴは、腕組みをして、頷くと、しかめっ面で応えました。

「無いことは、無いが・・・」

「そ、それは、ここから近いんですか?」

 MARUZOHくんの質問にマレンゴは、下唇を突き出すようにして「うむ」とだけ言いました。

「あっ、僕、わかった!」

 そう叫んだタカシくんは、ドアの外を指差しています。MARUZOHくんがタカシくんの指先を追いますが、そこにはさっき昇ってきた階段しかありません。

「階段の向こう側のお部屋でしょ?」

 マレンゴが、苦々しい顔で、無言で頷きました。

「ほら、当たった。
僕の思ったとおりだ。
ガルルのおじさんのお部屋だよ」

「えっ?」

 そう言った切り、MARUZOHくんは絶句してしまいました。そりゃあ緊急電話回線だってあるはずです。だってそこは、ガルル皇帝の執務室なのですから。

《つづく》


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posted by maruzoh at 08:09| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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