やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月15日

王様 対 皇帝 第46回 MARUZOHの違和感


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第46回 MARUZOHの違和感 


 千年帝国母艦は、豪華客船とまではいかないまでも、中型クラスの規模の客船を改造したと言うだけあって、さすがにこれが実に広いのです。その船底の機関室から最上階の架電室までを、小学1年生のタカシくんの隠れた麻袋を担いで昇るのですから、マレンゴは6階の踊り場に差し掛かった辺りで、もうすっかり汗だくのフラフラになってしまいました。
 その堂々とした態度とは裏腹に、色白で小柄なマレンゴはゲッベルス同様、あまり運動が得意ではなかったのです。ふうふう言っているマレンゴを、袋の中からタカシくんが気遣います。

「マレンゴのおじさん、大丈夫?少し休んだらどう?」

「そうですよ、マレンゴさん。
少し休んで、後は僕が代わりましょう」

 タカシくんとMARUZOHくんは2人してそう言うのですが、マレンゴは頑として譲りません。

「俺たちに残された時間は、限られてるんだぞ。
おいそれと休んでる訳にはいかないさ」

「でも、だったら僕が代わりに・・・」

「いや、駄目だ。
もしこの企みが露見して敵に追われることになったとしよう。
機関部に長年いる俺にとって、
この船は、勝手知ったる我が家同然、
それこそ親衛隊の知らない船の隅々まで知り尽くしているさ。
タカシくんを背負っていたって、充分逃げ切る自信はある。
でも、初めて尽くしのMARUZOHくんじゃ、そうはいくまい。
見つかったら最後、2人まとめて檻の中が関の山さ。
この船の造りは、各階ともほとんど同じだからな。
乗って間もない奴は、一人残らず迷子になっちまうんだ」

 マレンゴの言うのも、もっともです。ましてや、MARUZOHくんは、ほんの30分ほど前に、バリアを無我夢中で越えて到着したばかりなのです。そんなMARUZOHくんからすれば、さっきから行き来している金属の狭くて薄暗い通路が、何処に行ってもまるで同じように見えてしまっても、何の不思議もないはずです。

「そ、そうか」

 MARUZOHくんが、突然呟きました。

「わかってくれたかい?」

 マレンゴの優しい言葉に、MARUZOHくんは頷きました。
でも、さっき口を衝いて出てしまった言葉は、マレンゴの説明に対してではありませんでした。実は、MARUZOHくんは、この母艦に乗船して以来、ずっと抱えていたもやもや、そう、妙な違和感が、いったい何だったのかが、今のマレンゴの言葉で、すっかりとわかってしまったのです。

「マレンゴさん、僕、気づきましたよ。
この千年帝国に対して感じていた違和感。
今のマレンゴさんの言葉で、僕、分かったんです」

「ほう、面白そうだな」

 マレンゴは、階段を昇る足を止めて、振り返りました。

「さっきマレンゴさん、言いましたよね。
この船の造りが、各階ともほとんど同じだって」

「ああ、確かにそう言ったけれど・・・
それが何か?」

「何処も彼処もほとんど同じ、
どこを切っても同じの、まるで金太郎飴みたいなのは、
千年帝国の母艦の造りだけじゃありませんよ、マレンゴさん」

「・・・・」

「親衛隊の連中ですよ。
彼らは、みんな同じ表情をしていて、
全く個性と言うものが感じられないんです。
まさしくそれが、マレンゴさんも言ってた軍隊なんでしょうけれど」

「なるほどな・・・」

 2人の会話を聞いて麻袋からタカシくんが、またぴょこんと顔を出しました。

「MARUZOHさんも、そう思った?
僕もそう思ってたんだよ。
だって、親衛隊の人たちって、
つまらなそうな顔した人ばかりなんだよ。
みんなガルルのおじさんの家来になって、
笑うこと、忘れちゃったんじゃないのかな・・・
さっきね、それを、最上階でガルルのおじさんに
教えてあげようとしたんだけど、
船が揺れたんで言えずじまいったんだ」

 タカシくんが突拍子も無いことを、しかも、あまりにも的を射たことを言い出したので、MARUZOHくんとマレンゴは、顔を見合わせて、ぷっと吹き出してしまいました。
 ここは、7階の踊り場。最上階の架電室まで、もうすぐです。

《つづく》


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posted by maruzoh at 08:13| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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