やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月14日

王様 対 皇帝 第45回 鍵を握る者


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第45回 鍵を握る者 



「よお、マレンゴ。
どうしたんだ、でっかい袋なんか背負って。
機関室の穴倉に飽きたんで、
今度はサンタにでも弟子入りか?」

 階段を上っているマレンゴとMARUZOHくんは、踊り場からの陽気な声に足を止めました。そこには白衣に身を包んだコックさんが、ニコニコ笑って立っていました。このフロアには、帝国の大食堂があるのです。

「相変わらず口の減らない親父だな。
修理の部署の連中が全員、スクリューの方に駆り出されちまったんで、
架電室の修理に行く手が足りないんだとさ。
本来は俺たち機関室の仕事じゃないんだが、ちょっとしたお手伝いにな」

「なるほど、そりゃあ、ご苦労なこった。
おやおや?そっちの髭のお兄ちゃんは、新入りさんかい?」

 MARUZOHくんは、一瞬ドキリとしましたが、息を少し大きく吸い込むと右手でさっと敬礼をして、マレンゴとの打合せ通りに答えました。

「先週乗船しました、丸井と申します。
機関室に配属されました。
宜しくお願いします」

「いいんだよ、敬礼なんかさ。
配属の時にガルル皇帝と機関長に言われたんだろうが、
皇帝と親衛隊の連中にだけやってりゃさ。
正直、後は適当でいいんだよ。
軍隊じゃあるまいし、馬鹿馬鹿しい」

「は、はあ・・・」

 MARUZOHくんは、このコックさんの言葉に、肩透かしを食らったような気がしましたが、何か大きなヒントをもらった気がしました。

「じゃ、賊が忍び込んだらしいから、気をつけてな」

コックの親父さんはそう言うと、鼻歌まじりに手を振って、調理場の方に戻っていきました。マレンゴは、その背中をじっと見つめていました。

「MARUZOHさん、あの親父の言い草、聞いただろ。
ガルルや親衛隊に反感を持っているのは、
俺たち機関室だけじゃないんだよ。
くそぉ、何かの、何かのきっかけさえあればなあ。
この船のみんなに、俺たち16名の思いをわかってもらえれば、
そうすれば、俺たちのこの小さな反乱を大きなうねりに、
そう、大きなうねり、革命に変えられるかも知れないのに・・・」

 マレンゴは大きなその拳を、ぎゅっと握り締めました。MARUZOHくんはそれを見て、以前ココロニア国王から聞いた話を、ふと思い出しました。

「マレンゴさん、以前に父、ココロニア国王が、
独立運動をしていた頃にこんなことを言ってたのを、
今ふと思い出したんです。
大きな事を起こすには、確かに損得勘定が必要だけれど、
もっともっと大きな、とてつもない事を成し遂げるには、
損得勘定をも超越した、魂の根幹を揺さぶるような、
ドラマチックな何かが必要なんだ、って・・・」

「ドラマチックな、何か・・・」

「そうです。ドラマチックな、何か、です。
例えばそれは、ココロニア独立戦争の時の、
あの、タカシくんの独唱のような・・・・」

 麻袋の結び目から、タカシくんがまたぴょこんと顔を出しました。

「僕のこと、呼んだ?」

「だ、駄目だよ。危ないよ」

 MARUZOHくんが、慌てて頭を押さえつけて、麻袋の中にタカシくんの頭を突っ込んでしまいました。

「もう〜っ、MARUZOHさんたら、心配性だなあ。
大丈夫だよ、麻袋だもん。
外のことは透けて見えるんだからさ」

「駄目ったら、駄目」

 2人の会話を聞いて、マレンゴが、ぷっと吹き出しました。そして、こう言いました。

「君たちは、いつ、どんな時でも、実に明るいなあ。
俺はね、君たちを見ていると、不思議と心が和むんだ。
本当だ、お世辞じゃないよ。
あの弱虫だったゲッベルスや、帝国に忠誠を誓っていたヒムラーが、
君たちに触れることによってあんなに変われたのも、
今となっては、実によく、わかるんだよ。
えっ?
き、君たちに触れて・・、変わる?
そ、そうだっ!」

 自分が何気なく言った言葉に、マレンゴ自身が、雷に打たれたように飛び上がりました。

「そうかもしれない!
いや、きっと、そうに違いない!
帝国の押し付けられたような日常。
その正反対に、日常をこんなにドラマチックに
楽しんで生きているココロニア王国の君たち2人。
この大勝負、革命の鍵を握っているのは、
ココロニアの、君たち2人かも知れない。
いや、そうだ。
きっとそうに違いない」

《つづく》


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posted by maruzoh at 09:10| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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