やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。












   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町 誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジャー・ウォブルさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪


2011年12月10日

王様 対 皇帝 第41回 コードネームへの誓い


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第41回 コードネームへの誓い


「おじさんたちって、日本人だよね・・・」

 タカシくんが機関室を見回して言いました。ゲッベルス、ヒムラー、マレンゴの3人は、お互い顔を見合わせて苦笑いをしています。

「この、おかしな名前のことかい?」

 タカシくんの質問にゲッベルスが問い返します。

「そうそう、だってガルル皇帝もそうだけど、
おじさんたちの名前って、僕らとはちょっと変わっているんだもの。
日本人・・なのに、なぜなの?」

 これは、以前からMARUZOHくんも気になっていたことでした。ヒムラーが視線を合わせないまま、とっても情けなさそうに答えます。

「実はね、この名前は、あだ名というか、
幹部につけられたコードネームでね。
すべてはガルル皇帝が思いつき、気分次第でつけた名前なんだ。
ご存知のように私は苗字が火村だから、
かの悪名高きナチスの親衛隊全国指導者
ハインリヒ・ヒムラーをもじってヒムラー・・・」

「奴は・・、ガルルは、
ナポレオンのことはもちろんだが、
なんと、あの独裁者ヒットラーが大好きなんだよ。
だから、私は火村の友人というだけで、
ははは、小男で非力だったからだろうな、
宣伝相のゲッベルスと、そう名づけられたんだ・・・」

それを継いで、今度はマレンゴが、ダンッと足を踏み鳴らしてから語り始めた。

「俺に至っては、全く馬鹿馬鹿しい話さ。
笑ってくれよ、マレンゴってのはさぁ、
かのナポレオンの愛馬の名前ときたもんだよ。
この母艦を走らせている俺らってのは、
奴にとっちゃ、馬程度の存在なんだろうさ」

 タカシくんは難しいことは判らないながらも、たぶん雰囲気を察してでしょう、大人たちのお話を実に神妙な顔つきで聞いています。
 ずっと奥歯を噛み締めていたMARUZOHくんが、溜め息のようにして、やっと言いました。

「みなさんは今、自分の意思でこの千年帝国から、
ガルル皇帝の支配から抜け出そうとしているんです。
どうです?
この際これを機にして、本当の自分の名前に、戻るってのは?」

 3人は、また顔を見合わせました。そして、ゲッベルスは自分の足元に視線を落として、ヒムラーは天井の一点を凝視したまま、マレンゴはMARUZOHくんから眼を逸らさず、暫く沈黙していました。

「私たちには・・・」

 ゲッベルスが、ぽそりと言いました。

「過去を・・、過ちを償う義務があるんです。
この名で・・、この名で犯してきた数多の罪を
償わなければならないのです」

 そしてヒムラーが続きます。

「そう、そうなんです。
ここで私たちが、汚れた服を脱ぎ捨てるように
ポイっと過去を捨ててしまったら。
私たちは、それこそ・・・
私は本物のヒムラーのように。
こいつは、本物のゲッベルスみたいに。
ただの、ただのならず者に・・
なってしまうじゃないですか」

 ボロボロと流れる涙を拭おうともせずに、マレンゴはその大きな拳を握り締めて、機関室を震わせるような声で叫びました。

「俺たちは、今!
全ての清算をするために、立ち上がる!
これは、正義のための戦いじゃない。
自分を、自分を取り戻すための戦いだ!
いいか?
俺たちは、裁きを受けるために、
そして、罪を償いもう1度自分らしく生きるために、
これからまず、自分というものを取り戻す戦いに
勝利しなければならないっ!」

「うおおぉぉぉぉぉぉっ!」

 それまで固唾を呑んで聞いていた機関室の作業員たちは、まるで嵐の海のうねりのような拍手と歓声で、号泣する3人を讃えたのでした。

《つづく》


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posted by maruzoh at 07:37| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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