やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月04日

王様 対 皇帝 第35回 皇帝からの招待


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第35回 皇帝からの招待 


「MARUZOHさん・・・
バリアを突破して近づいたはいいが、
このどでかい船のどこから甲板に上がるつもりだい?
のんびりとえっちらおっちら昇ってたんじゃ
ことによっちゃあ奴ら、鉄砲でもぶっ放してくるかもしれねえぞ」

 玄さんが、目の前に迫った巨大な千年帝国母艦を見て、心配そうにMARUZOHくんに問いかけました。でも、本当に玄さんの言うとおりです。だって千年帝国母艦の乗組員は、甲板で双眼鏡を片手にこちらを窺っていますし、無線でなにやら報告までしているのです。
 3人で話し合った結果、投網の撤去作業中のスクリュー部分には、縄梯子とかの何らかの乗船手段があるだろうという執事長の案に2人が賛成して、玄さんがスクリュー部に向けて舵を切ったその時でした。

「貴様は、熱田の息子のMARUZOHだな?」

 母艦のラッパ型の拡声器から、辺りの空気を引き裂いてしまいそうな猛獣のような荒々しい叫び声が聞こえました。それまで母艦の周りを飛び交っていたカモメが、びっくりして散りじりに逃げていきます。そう、この自信満々の声の主は、言わずと知れたガルル皇帝その人です。

「そのオンボロ船で巡洋艦のバリアを突破したのには、
正直我輩も驚かされたよ。
そのやけくそさは、実に大したものだ。
しかし、肝心の乗船手段を考えていなかったとは、
なんたるお粗末・・・
さすが計画性のない、ただのひらめき集団だ。
いつも行き当たりばったりで、
その後の算段なんて、なに一つ考えちゃいないんだろ?
だから貴様らは、甘ちゃんの王様ごっこだと言うんだ!」

 好き勝手に吼えるガルル皇帝ですが、今回に関してはなかなか的を射ているので、MARUZOHくんたちも返す言葉もありません。

「どうだ、痛いところを突かれて、ぐうの音も出ないか?
だいたい貴様らは、3人ぽっちでこの母艦に乗り込んで
いったい何をしようと言うのだ?」

「タ、タカシ―――ッ!
タカシは、無事だろうな!」

「ガルル皇帝、タカシくんを、
タカシくんを返せ!」

 執事長とMARUZOHくんが大声で叫びますが、なおも回り続ける巡洋艦の轟音に掻き消されてその声はちっとも届きません。

「ふふふ・・・、聞こえやせんよ。
大方、小僧は無事かだとか、
小僧を返せだとか言っているに相違あるまい?
安心しろ、我輩たちが手を焼くくらい小僧は元気だ。
そして、小僧の今後だが・・・
よかろう、貴様らに返そうじゃないか。
我輩は血も涙もない冷血な男ではない。
一国を預かる心広き皇帝だからな。
しかしだ。
それには、一つだけ条件がある。
小僧を返すのは、その条件が飲めればの話だ」

 MARUZOHくんと執事長が、はっとして顔を見合わせました。

「いよいよ おいでなすったぞ。
CDの件を切り出す気に違いない」

「こ、ここです。
ここかが勝負どころですよ!」

 この2人の会話は、当然ガルル皇帝には聞こえるはずがありません。一方、タカシくんとゲッペルスに逃げられてしまった上、諜報部員のヒムラーにまで裏切られてしまった皇帝は、CDがタカシくんからタケルくんに渡って、今は王様の手元にあることなど全く知りませんし、しかも、そのCDの危険極まりない内容を、MARUZOHくんをはじめとする王国のみんなが既に知っているとは思ってもいません。
 ガルル皇帝の声が、珍しく歯切れ悪く拡声器から響きました。

「いいか?MARUZOH。
なぜかは言えぬが、小僧の全ての宝物。
いいか?全てだぞ。
その全ての宝物と小僧とを交換しよう。
ただし、理由は聞きっこなしだ・・・
どうだ?悪い話ではあるまい」

 MARUZOHくんは、執事長と顔を見合わせ、大きくひとつうなずきあってから頭の上に両手で大きな丸を作りました。

「ふむふむ、賢明な選択だ。
となれば、善は急げだ。
MARUZOH、貴様に乗船を許可する。
この千年帝国に、招待しようではないか。
そして、執事長の宇田川。
貴様は、ココロニアにすぐ戻り、息子タカシの宝物を持って
この船にとんぼ返りして来るんだ、わかったな。
ふははははははは・・・・」

 ガルル皇帝の狂気に満ちた声が不気味な笑いに変わると、早速1艘の小船がココロニア号に向ってゆっくりと近づいてきました。

《つづく》



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posted by maruzoh at 07:17| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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