やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月02日

王様 対 皇帝 第33回 決死のバリア封じ


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第33回 決死のバリア封じ 


 エンジンの停止した千年帝国母艦の周りを、4隻の巡洋艦が等間隔で反時計回りに廻り始めました。最初はそれぞれがぶつからないようにゆっくりと、そして、それはだんだんとスピードを増して、最後は大きな渦を作るように猛烈なスピードで廻りだしました。大きな渦の半径は、70〜80メートルはあるでしょうか。まるで、SF映画に出てくるバリアのようです。
 すると、それまで母艦を取り囲んでいたココロニア船団は、まるで木の葉のように揺られてしまい、バリアから逃れようともがいた挙句、散り散りにされて右往左往し始めてしまいました。

「執事長、船団がばらばらになってパニック状態だ。
タカシくんのおじいちゃんに無線で連絡を取って、
みんなを落ち着かせてもらってください。
時が来るまで後方で待機してもらいましょう」

 MARUZOHくんが叫びました。執事長が慌てて無線で連絡を取っています。なおもスピードを上げようとしている巡洋艦をじっと見つめるMARUZOHくんは、緊張して強張った顔つきで、同じようにそれを見つめるココロニア号船長にこう質しました。

「玄さん、このココロニア号が、
あの回転する4隻の巡洋艦の間を縫って
母艦に接近することは、可能ですか?」

 玄さんは、滅相も無いという顔で首を横にプルプルと振りました。

「と、とんでもない・・・
あのスピードと横波だ。
まともに行ったら、こんなオンボロ船、
それこそ木っ端微塵になっちまう・・・」

「や、やっぱり・・・
タカシくんがすぐそこにいるってのに、
僕らには、手も足も出せないなんて・・・」

 絞り出す様なMARUZOHくんの声を聞いて玄さんも眉間に皺を寄せてじっと考え込んでいます。やがて玄さんがポツリと漏らしました。

「ひょっとして
斜めの方向・・からだったら・・
い、いや、危険すぎる。
やめた方がいい・・・」

 気色ばんだMARUZOHくんが、玄さんの両肩を揺さぶります。

「斜め?斜めからなら可能性があるんですね?」

 玄さんは、その手を肩から下ろすと下から覗きこむようにMARUZOHくんを見ました。

「無いことは、無い・・という程度の確率だ。
つまり、相当な危険が伴うということだ」

「で、でも、玄さん。
今しか、今しかないんです!
ここで千年帝国の母艦がスクリューの修理を終えて逃げ出したら、
ココロニアの船は1隻として追いつけないんです。
タカシくんを取り戻すには奇襲の成功した今しか、
今しかないんです!」

 無線の交信を終えた執事長も、玄さんの手を取りました。

「玄さん、タカシを、タカシを助けてください・・・」

 玄さんは、とんでもないことを口にしてしまった、とでも言いたげな顔です。

「助けるったってよぉ。
その前に俺たちがお陀仏しちゃあ、
何にもならねえんだぞ・・・」

 玄さんは、ふうっと息を吹き出すと、MARUZOHくんと執事長の顔を交互に見てから、大きく気合を入れました。

「ええいっ、よしっ、やってやる。
玄さん一世一代の舵捌き、とくとお目にかけようじゃねえか!
お前さんらも、覚悟を決めろよ!」

「ありがとうっ!」「玄さんっ!」

 3人はがっちりと握手をしました。でも、作戦会議をする時間はもうありません。玄さんが舵を取りながら大きな声で2人に向けて説明しています。

「斜めからの突入というと、
斜め後ろからと相場は決まっているんだが、
今回みたいに船の大きさにも速度にも大きな差がある場合、
そいつは、完全に無理だ。
左右の横波が邪魔して、
後方の船をかわすだけのスピードが出ないんだ。
では、どうするかってえと・・・
巡洋艦の右斜め前から進入。
ぎりぎりで巡洋艦の舳先をかわしてから
左斜め前をかすめる様にして、突っ込む!」

「な、斜め前からですって?」

「それって、一歩間違えれば正面衝突・・・」

「その通りだ!
でも、これしか方法はないんだよ。
すり抜けるようにその船の横波に乗ったら
後方の船の左の横波に乗って母艦に着船する。
言うは易しだが、もし、しくじったら・・・」

 MARUZOHくんも、執事長もごくりと唾を飲み込みました。

「この船もろとも、3人とも海の藻屑さ・・・」

《つづく》



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posted by maruzoh at 08:46| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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