やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年12月01日

王様 対 皇帝 第32回 千年帝国母艦停船す


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第32回 千年帝国母艦停船す 


 千年帝国母艦。ココロニア船団の出現に慌てふためくデッキの乗組員を見下ろして、操舵室の舵の前、ガルル皇帝が太っちょのおじさんに矢継ぎ早の質問をしています。

「機関長、応えろ!
先程の横揺れの原因は何だ?
この軋みはどこから来ている?
一体何があったというのだ?」

 機関長は、滴る額の汗を拭って応えました。

「目下原因を究明中でありますが、恐らく・・・」

「恐らく?」

「はあ、投網のようなものがスクリューに巻きついたと・・・」

「ほう、ココロニアの甘ちゃんにしてはやりよるわい。
一旦エンジンを止めて構わん。
すぐに修理にかかれ!」

「はっ!」

 太っちょの機関長は、壁の船内電話で機関室に皇帝の指示を伝えました。その横では皇帝が舵の横のマイクを掴んで、「艦内」「巡洋艦」と書かれたスイッチを端からパチパチと全部オンにしています。皇帝はスイッチを全部向こう側に倒すや、マイクに向かい大きな声で叫びました。

「我輩だ、ガルル皇帝だ!
母艦及び全巡洋艦に告ぐ。
母艦は今からスクリュー部分の修復のため
一時エンジンを停止する。
その間、各艦は母艦の周囲を高速で巡回せよ!
いいか、あの木っ端みたいな漁船どもを
絶対に母艦に近づけさせてはならん、絶対だ!
ぶつけて、沈めてしまっても構わない!
わかったな、以上だ!」

 ガルル皇帝はマイクを置くと腕組みをしてフフンと鼻をひとつ鳴らした後、遠い海の彼方に向かってこう呟きました。

「さあて熱田、貴様はこの後どうする?
お前はこの戦いで自分の甘さを
痛いほど思い知ることになるだろう。
ふははは・・
理想だけでは、人は動かんぞぉ!」


 一方、架電室のタカシくんら3人は、この混乱に乗じて最上階からデッキ付近に降りようと、再び抜き足差し足で階段に向かっていました。3人はガルル皇帝の艦内放送を階段の踊り場付近で耳にしたのですが、タカシくんは皇帝のあまりに獰猛な叫びにぶるっと身を震わせてしまいました。そして、心配そうに言いました。

「お父さんとおじいちゃん、大丈夫かな。
僕、間違いなく聞いたんだ。
あの船からお父さんとおじいちゃんの声を・・・」

 ヒムラーが大きく息を吐いてからやさしく応えました。

「大丈夫さ。
おじいちゃんは本島の網元で勇敢な漁師さんだったんだ。
ガルルになんか負けるわけないさ」

 タカシくんの顔にまた光が灯りました。

「うん、そうだよね」

「そうだともさ。
さあ、帝国の目はみんなデッキに集中してる。
この隙にどんどん下に降りていくぞ。
念のため武器を携行するんだ」

「了解」

 そう言うとヒムラーは殺虫剤のスプレーを、ゲッペルスはお徳用の胡椒の瓶をぎゅっと握り締めました。

《つづく》



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posted by maruzoh at 07:21| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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