やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月28日

王様 対 皇帝 第29回 おじさんって・・


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第29回 おじさんって・・ 


「おじさんって・・・」

 最上階の窓から差し込む日差しに、タカシくんの眼があまりにキラキラと輝いていたものですから、ガルル皇帝は不思議と気圧されてしまうような、そんな気がしていました。

「皇帝をつかまえて、おじさんだと?
確かに我輩は、年齢的にはおじさんに相違ないが・・
まあ、ここは許そう・・・
で、小僧、我輩がどうした?」

 どうやらガルル皇帝も「おじさんって・・」の次が気になると見えます。

「うん、おじさんってね・・・ 
泣いたりすることって、あるの?」

「はぁ?我輩が・・?泣く・・?
ぷっ、くくくく・・・
ふはは、ふははははは。
わっはっはっはっは・・・」

 タカシくんの質問を聞いて、ガルル皇帝は大声で笑い出してしまいました。ゲッベルスも、ヒムラーも、このタカシくんの質問には拍子抜けしてしまったようで、顔を見合わせて苦笑いをしています。

「言うに事欠いて、我輩が泣くかだと?
ふは、ふはははははは・・・
さ、さすが無能の民の子だ。
いったい何を言わんとしているのかさっぱりわからん」

 タカシくんはもじもじしながらガルル皇帝にこう応えました。

「ココロニアの王様が言ってたんだ。
人間っていうのはね、
こころの器から溢れ出した感情が涙や笑顔になるって。
そしてそれはね、
人間にとって一番大事な感動を生むためのものなんだって。
でも、さっきから見ているけど、
ガルルのおじさんの笑顔って、ちっとも楽しそうに見えないし、
とっても感情が溢れ出した笑顔には見えないんだもの・・」

「・・・・・・・・・・」

 ガルル皇帝は、ほんの一瞬だけ視線を足元に落としました。タカシくんの言葉に感ずるところがあったのでしょうか?
 しかし、その後すぐに見上げた時のくわっと見開かれたガルル皇帝の眼は、やはり先程までの血走った猛獣のような眼のままでした。

「おい!聞いたかゲッベルス!
こんな小僧までが、ココロニアのロマンチストに感化されて、
一文にもならない、こんな青臭いことをほざいとるのだ。
これを洗脳と言わずして、なんと言う?
千年帝国とココロニアを治める我輩と熱田。
2人のいったいどこが違うと言うんだ?
ええ?どうだ、応えてみろ!」

 ガルル皇帝の咆哮が部屋に響き渡ったその時、ブルッと震えたゲッペルスは皇帝の肩越しの窓、水平線から黒い点が微かに現れるのを確かに見ました。あれは、何でしょう。船です。船団です。間違いありません。ココロニアの大船団です。

《つづく》


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posted by maruzoh at 08:27| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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