やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月27日

王様 対 皇帝 第28回 喰う者 喰われる者


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第28回 喰う者 喰われる者 


「く、くくく・・・
ふははは・・・
わははははははははははは」

 ガルル皇帝は、ゲッペルスの懸命な叫びを聞いて、一瞬鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしましたが、なぜかその後、急に腹を抱えて笑い始めました。

「ふはははは・・・
き、貴様にも生意気に、
己の存在理由を求める気持ちがあったとはな。
こいつは可笑しい。
ふはははははははは・・・」

 その言葉を聞いたゲッベルスは、手をわなわなと震えさせて、またも泣きながら叫びました。

「こ、この、な、なんてことを。
私には、生きる理由などないと、
お、お前は、そう言うのかぁっ」

 ゲッベルスは、皇帝の言葉がよほど腹に据えかねたのでしょう。顔を真っ赤にして身を乗り出す姿には、さっきまでのおどおどした感じは、もう微塵もありません。

「ふははは・・・
いや、そうは言わんよ、ゲッベルス。
貴様にも存在理由は、ちゃぁんとあるんだ。
ヒムラー、貴様や、その小僧にもだ。
もちろん誰にも、存在理由は、ある」

 ガルル皇帝は、腕組みをしたままちょっと上を向いて、何か陶酔しているような表情で大股で歩きながら話を続けました。

「この世の中にはいつだって2種類の存在があった。
そしてそれは、これからも間違いなく続いてゆく。
いいか、よく聞け。
その2種類とは、支配する者と、支配される者だ。
そして、我輩はまさに完全無欠な支配者であり、
貴様ら無能の民は、支配される者というわけだ。
どうだ、分かったか?」

「す、するとあんたにとっては、
忠誠を誓っているあんたの部下、
千年帝国の臣民たちも
奴隷同然の存在だって言うのか?」

 これにはヒムラーも唾を飛ばして怒りました。
でも、小学校1年生のタカシくんには、ちょっとばかり難しいのかもしれません。3人を交互に見てポカ〜ンとしています。皇帝は怒っているヒムラーを一瞥しただけで、タカシくんに向かって話かけました。

「ふははは・・・
小僧、全く分からないという顔つきだな。
貴様は帝王学には縁のない
まさに無能の民の子そのものという顔をしておる。
あぁ、もう少し利口に生まれてこられたならば
もう少しましな人生を送れるだろうに、
これを哀れと言わずしてなんと言おう・・」

 完全に自分の言葉に酔った皇帝は、うんうんと頷きながら続けます。

「そうだな、今回はその哀れさに免じて、
頭の悪い無能の民の小僧のために特別に我輩自らが、
世の仕組みというものを言葉を置き換えて
分かりやす〜く教えてやるとしよう」

 ガルル皇帝は、ニヤリと笑うと腕組みをしてちょっと首を傾げました。

「支配する者と、支配される者とは・・
そうだなぁ、強い者と弱い者、じゃ、単純過ぎるな。
勝ち続ける者と負け続ける者。
これで どうだ?」

 タカシくんは、まだピンと来ないようで首を捻っています。
そうですよね。確かに漠然とし過ぎていますよね。

「じゃあ、うん、これでどうだ?
持てる者と持たざる者。
命令する者と命令される者。
まだ分からんか? 
何?余計に分からんだと、この能無しめが!
う〜ん・・・ 
そうだっ!一番ぴったりの言葉を思いついたぞ。
こいつなら馬鹿でもわかる。
喰う者と、そして、喰われる者だ!
ふふふふふ、こいつはいい。
貴様らは、皇帝であるこの我輩を生かすためだけに
喰われるためにのみ存在していればいいのだ。
私のためだけのためにな・・・
巨大な鯨に喰われる大量のオキアミ、それが貴様らだ!
わはははははははははは・・・」

 お気に入りの言葉を見つけて、皇帝は自己陶酔のピークに達したようです。狂気を宿したような血走った眼で一睨みされて、ゲッベルスのさっきの勢いもどうやら萎えてしまいました。
 だって、世界一のナルシストと化したガルル皇帝ときたら、本当に頭からボリボリと食べられてしまいそうな迫力なのです。
 仁王立ちで高笑いする皇帝の前、ゲッベルスとヒムラーは、すっかり小さくなってしまいました。と、その時です、2人の脇をするするっと歩み出たタカシくんが皇帝を見上げるようにして言いました。

「ガルルのおじさん。
おじさんって・・・」

《つづく》



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posted by maruzoh at 17:26| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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