やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月16日

王様 対 皇帝 第17回 ダクト入口の攻防


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第17回 ダクト入口の攻防 


 親衛隊の大男の手は、まるで熊手です。
その毛むくじゃらの大きな手が、タカシくんの右足に向かって伸びてきます。その度にタカシくんは、亀の子が足を引っ込めるようにして上手い具合に2度3度とかわしていましたが、

「こ、このぉ、ちょろちょろと小ざかしいわ!」

ついに4度目の手が伸びた時、大男はタカシくんの右足のかかと辺りをむんずと掴みました。

「へへへ・・・
捕まえたぞぅ、観念しろ小僧!」

 さすがガルル皇帝の親衛隊です。タカシくんを捕えて舌なめずりをする大男の顔は、肉食獣そのものでした。

「つ、捕まってたまるか」

 タカシくんは懸命に足をバタバタさせて逃れようとしますが、大男はまるで動じません。それどころかタカシくんの体は、ズルズルと少しずつ出口に向かって引きずられていきます。

「く、くそっ」

「無駄だ、小僧」

 大男がぐいっと右手に力を込めて、タカシくんをさらに引き寄せます。引きずられまいと暗闇の中もがくタカシくんの手にわずかな出っ張りが触れました。タカシくんはひしとそれを掴むと同時に、空いている左足のかかとで大男の手の甲めがけて蹴りつけました。それはまるで、狼に追い詰められた小鹿の決死の後蹴りのようでした。

「・・・くっ」

ズボッ

ドシ――ン

 大男の漏らす苦痛をこらえる声と同時に不思議な音がして、それとほぼ同時に大男はもんどりうって倒れました。
 そう、タカシくんの靴が脱げたのです。それで親衛隊の大男は、綱引きの綱が切れてしまったみたいに仰向けにひっくり返ってしまったというわけです。

「ぐぐぐぅぅ・・・・・」

 大男は、今度は後頭部をしたたか打ちつけたようです。さっきはタカシくんに向こう脛を思い切り蹴り上げられるし、今度は頭をしたたか打つし・・・。ガルル皇帝親衛隊も楽ではありません。

「頭と向こう脛、ごめんね。
で、でも、おじさんが悪いんだからね。
ぼくを捕まえようとするから。
後できちんと氷で冷やしておいてね・・・」

 タカシくんはそう言うと、ダクトの中をほふく前進の要領で進んでいきました。このダクトの広さなら、大男が相当のダイエットでもしない限り、もう追っては来られません。後は、約束どおりダクトを進んでゲッペルスの部屋で待ち合わせるだけです。

《つづく》



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posted by maruzoh at 10:30| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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