やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月10日

王様 対 皇帝 第11回 若き警察庁長官の苦悩


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第11回 若き警察庁長官の苦悩 


「卑劣極まりない!」

 王宮の会議室。上気した顔で王様が、机をドンと叩きました。その横で執事長は、お父さんの顔のまま、虚ろな眼で窓の外の海をただ眺めています。さっきから腕組みをしたままの法務大臣は、壁の一点を凝視したまま、一言も声を発しません。
 誰もが憤怒と不安をないまぜにしたどうしようもない気持ちで、犯人から何の連絡も要求もないまま、進展のしようもない会議に臨んでいました。
 中でも犯罪らしい犯罪もないココロニア王国では、今まで名ばかりだった若い警察庁長官も、交通事故以外の初めての仕事が誘拐だなんて・・と、苦悶の表情を隠せずに唇を噛んでいました。誰あろう、その警察庁長官こそが、熱田丸蔵(あつたまるぞう)。王様の実の息子にして、まりなさんの旦那さま。episode1でも大活躍のMARUZOHくん、その人でした。
 ココロニア国王は世襲制ではありませんから、MARUZOHくんは王子というわけではありません。王国では国民のほとんどが何らかの役職についていましたが、MARUZOHくんはまだ若くて、今ひとつ頼りないからでしょうか、「閑職」である警察庁長官辺りでどうか?というのが、選任されたその理由でした。王様をはじめとして王国の全ての人が、王国には犯罪なんかとは無関係と思っていたのです。のんきと言えばあまりにものんきな国です。ですから、防犯に気を配っていなかったとか、警察庁長官は職務怠慢だなどと他の大臣から詰問されたり、叱責されるようなことはありませんでしたが、MARUZOHくんは、そうは考えていませんでした。
 自分を責め、そして、何とかタカシくんを無事に取り戻したいと、さっきから繰り返し繰り返し考え得るいろいろな可能性について考えていました。
誘拐の目的は何なのか。
怨恨か・・・
金銭目的の営利誘拐か・・・
執事長夫妻はしっかりとした人ですし、とてもやさしい人たちですから、恨みを買うなどとは、MARUZOHくんにはとても思うことができません。しかし、執事長の義理のお父さん、つまり、タカシくんのはおじいちゃんは、長いこと本島の長老を努めてきた人です。当然、利権を含め、様々な揉め事もあったでしょうし、誰かしらから恨みを買うことが無いとは言い切れません。
もう一つ。ココロニア王国全体に対する恨み。
そんなものが、あるのだろうか・・・
MARUZOHくんは、そう考えたところで、あることに気がつきました。
 今回の誘拐は、「タカシくんでなければいけなかったのか」ということです。なぜなら、王国から本島まで定期的に通うのは、タカシくん以外には誰もいないのです。言い換えるのなら、王国に秘密裏に潜入して誘拐しない限り、誘拐するチャンスのあるターゲットは、唯一、「タカシくんを置いてほかにはいない」のです。これは、「タカシくんしか誘拐できなかった」とも言えます。
 しかし、違った観点で言えば、本島の岸壁での誘拐というのは、王国に比べて人の目が多い、つまり目撃者も多く、しかも、日本国警察が関与してくる可能性が高いという、犯人にとっては極めて危険な場所でもあるはずです。犯人は危険を犯してまで、「タカシくんを狙った」のでしょうか?では、犯人がもともとタカシくんを狙っていたとしたら、それはいったい何のためなのでしょう。タカシくんでなければならなかった理由は、なんでしょう?
 MARUZOHくんは席を立つと、

「みなさん、これから僕は、
タカシくんの部屋を家宅捜索しようと思うのですが、
執事長さんをお借りしてよろしいでしょうか?」

と言いました。
それまで海を眺めていた執事長がはっと振り返って、MARUZOHくんを見つめました。

《つづく》



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posted by maruzoh at 08:37| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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