やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月06日

王様 対 皇帝 第7回 転校生


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第7回 転校生 


 ガルル皇帝のやってきたあの日から、2週間ほど経った頃でしょうか。タカシくんのクラスに転校生がやってきました。この島にとって十数年ぶりかの転校生です。
 タカシくんの通う小学校はと言うと、ココロニア王国から船で15分ほど離れた本島の中心地にあります。そう、ココロニア独立戦争の折、タカシくんが「ちいさい秋みつけた」を独唱したあの小学校です。タカシくんは、王国の船で毎日通学をしていました。
 小学校の児童数は12名。1年生から6年生まででそれだけしかいない本当に小さな小学校です。先生は校長先生も含め3人です。
 かの転校生は、タケルくんと言って、小学校4年生でした。ただしタケルくんは転校生といっても、お父さんの勤める地質調査会社の調査と共に全国を回っているとのことで、本島とココロニア王国の調査が済む約半年間の期間限定の転校でした。明るく活発な上、もう何回となく転校しているタケルくんは、転校生もなかなか堂に入ったもので、すぐにみんなに溶け込んでいきました。
 タカシくんも、日本の各地の生活を面白おかしく話してくれるタケルくんのことが、すっかり大好きになりました。一方、タケルくんはタケルくんで、今までたくさん転校先で友達ができましたが、「王国」に住んでいる子供などいませんでしたから、タカシくんとココロニア王国に大変興味を持ったようで、二人は3日もすると、「タケルにいちゃん」「タカシ」と呼び合うくらいとっても仲良しになっていました。
 二人は今日も 放課後校庭でさんざん遊んだ後、王国からのお迎えの船を 夕焼けの岸壁で待っていました。

「あ〜ぁ、今日ももう帰らなくっちゃいけないのかぁ」

「あんなに遊んだのに、タカシは欲張りだなぁ」

 毎日帰り際に繰り返されるタカシくんの台詞に、タケルくんが笑って答えました。

「だってタケル兄ちゃんは、クリスマスの頃には、
またどっかへ転校しちゃうんでしょ?」

「・・・・・」

 タカシくんの悲しそうな顔に タケルくんは、チクンと 胸が痛くなってしまいました。

「そうだ!
ぼく、タケルにいちゃんが、
ぼくのことを忘れないようにぼくのとっておきの宝物を
タケルにいちゃんにあげる!」

「馬鹿だなあ、タカシ。
ぼくが転校するのは、まだ半年も先だぞ・・・」

「いいんだよ。
その代わり、タケルにいちゃんも 
ぼくに なにか思い出に残るものを頂戴!」

「う〜ん。
まぁ、それだったら、いいかもな」

「じゃあ、約束だよ。
明日ね、必ずだよ!絶対だよ!」

 タカシくんの上気した声が 夕焼けのオレンジに染まった海に染み込みました。そして、夕焼けの先には、その海を二つに分けて 王国の船が、ゆっくりと向かってくるのが見えました。

《つづく》



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posted by maruzoh at 10:56| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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