やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年11月04日

王様 対 皇帝 第5回 タカシくんの宝物


〜憧話 こころ王国 episode 2〜
王様 対 皇帝 第5回 タカシくんの宝物 


 ガルル皇帝が嵐のように来襲し、そして去っていった日の午後、タカシくんは、やっぱりカニのお味噌汁があきらめられなくて、アッタカ峠に放り出してしまったバケツを拾うと、もう一度、ココロオドル海岸にカニ取りに出かけました。
 遠浅で白い砂浜の海岸の脇に、ちょっとした岩場があります。タカシくんは、いつもここでカニを取っていました。岩場から海を眺めると、今朝の光景が目に浮かんできました。
 真っ青な海と空、真っ白な波と航跡。その中に一際目立つ真っ黒な5隻の船団と威風堂々、仁王立ちする不敵な面構えのガルル皇帝。タカシくんは思わずブルルっと身震いしてしまいました。当然、タカシくんには、王様と皇帝の交わした話など知る由もありませんが、ガルル皇帝の醸し出す邪悪そうな雰囲気、オーラが、感受性の豊な少年には 届くのでしょう。
 タカシくんは慌てて、皇帝の居た辺りの海から目を背けようとしたのですが、静かな波間に 水面の輝きとは違う何かがキラリと光ったような気がして、逆にその辺りをもう1度凝視してみました。確かに、キラキラと虹色に光るものが、海に浮かんでいるようです。

「宝物かもしれないっ!」

 タカシくんは、以前お母さんに聞いた海賊船の宝物の話を思い出しました。タカシくんが、急いで岩場の上に駆け上がってもう1度その辺りをよおく見てみると、どうやら虹色のきらめきは、寄せる波に乗って、徐々に海岸に近づいているようです。
 タカシくんは、カニを取るのも忘れて、暫くの間、岩場のてっぺんに腰かけもせず、怪しく虹色に光る「謎の物体」を眺めていました。
 お日様が随分と傾いて、海を渡る風がだいぶ涼しくなった頃、虹色のきらめきは、ようやっとタカシくんの膝下くらいの深さの辺りにまで流れ着いてきました。
意を決すると、タカシくんは海に入って、ドキドキしながら虹色のきらめきを手にしました。

「わぁぁ、き・・きれいだぁっ!」

 それは、プラスチックケースに入ったドーナツ型の薄っぺらな円盤でした。角度を変えると、円盤がキラキラと虹色に光って、とっても綺麗です。片面には、何かアルファベットが書かれているのですが、小学校2年生のタカシくんには、読めるはずがありません。

(もしかしたら、これが虹になるのかもしれない!
うん、きっと そうだ!)

 タカシくんは、嬉しくって嬉しくって、本当にニコニコ顔で鼻歌まで歌いながら、夕焼けで真っ赤なアッタカ峠を スキップしながら帰りました。カニの代わりに 虹色の円盤をバケツに入れて・・・

(これは、「虹の卵」、ぼくの秘密の宝物だ!)

《つづく》



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posted by maruzoh at 08:31| Comment(0) | ◆王様 対 皇帝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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