やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年10月19日

ツノナシオニ 第22回 回想


ツノナシオニ 第22回 回想 


 オニの誰もがみな、体が大きくて筋肉モリモリだっていうのは、昔話の絵本の中だけのお話で、実は人間が勝手にそう思っているだけなんだ。
 確かにみんなに比べたら、一回りくらいは大きいかもしれないけれど、僕らの島には小さなオニだって、太っちょのオニだっているし、僕みたいなガリガリの痩せっぴだっている。
 お父さんはその島の中でも体も大きいし、力だって強い。
 それにとっても優しい僕の自慢のお父さんなんだ。
 でも、お父さんは、さっき自分で自分のことを「なんて父親だったんだ」だなんて、言ったんだろう。
 4年生の僕にはちょっと難しい言葉が多くて、半分くらいしか話は判らなかったけれど、お父さんは、ツノがないのが嫌だったのは僕じゃなくて、実はお父さんの方だったんじゃないかって思い始めたって、僕にはそんな風に聞こえた。
 確かに薬草は苦くて嫌いだったし、泣いてしまうこともあって、随分お父さんを困らせてしまった。
 でも、お父さんの「お前のためなんだよ」って言葉と悲しそうな顔を見ていると、お父さんを悲しませたくなくって、僕もがんばって飲もうって思っていたんだ。
 だからお父さん、そんな風に自分のこと悪く言わないで。
 お父さんのやさしい思いは、僕にもわかっていたんだよ。
 僕だってお父さんのことが大好きなんだから。

 でも、僕はぼんやりと思い出したんだ。
 僕の心の奥の、そのまた奥の、本当の気持ちを。

 ツノの無い僕は周りの子どもたちに、よくいじめられて泣いて帰って来たっけ。
 やさしいお父さんは、その度ごとに「大丈夫、心配しないでいい。ツノは、必ず生えてくるからね」って、やさしく僕の頭を撫でてくれた。
 僕はその度にほっとした。
 でもね、僕は本当はいつも、心の隅でかすかに思っていたんだ。
 頭の上で尖っているだけで、毎日の暮らしの中で誰も使ってやしないツノなんか、一体僕たちオニにとって、なんの意味があるんだろう?
 みんな大きさと色を比べあっているけれど、そんなことが、なぜ大事なことなんだろう?
 お父さんは、いつも僕にツノは必ず生えてくるからって言うけれど、このままツノが生えてこないってことは、そんなに大変なことなんだろうか?
 ツノの無い僕は、オニじゃないんだろうか?
 ツノが無くったって、僕はオニだよ。
 ツノが無くったって、僕はお父さんの子どもだよ。
 ツノが無くったって、僕はお父さんが大好きなんだよ。

《第23回へつづく》




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  児童小説 ツノナシオニ

posted by maruzoh at 17:17| Comment(0) | ◆ツノナシオニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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