やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
   maruzoh live.jpg

名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年10月17日

ツノナシオニ 第20回 変化


ツノナシオニ 第20回 変化 


 確かにお父さんの言うとおり僕らオニの世界では、ツノが長いだとか、太いだとか、色艶がいいだとかを、誰もが気にしている。
 そればかりじゃない。
 ツノを太く大きくするには、どんな方法がいいだとか、いい色や艶を出すのには、どんな成分が効くんだとかを、みんなやっきになって競い合っている。
 僕は、なかなかツノが生えてこないから、それこそ、みんなの何倍も牛乳を飲んで小魚を食べなさいと、よくお父さんにいわれていたっけ。
 でも実は本当のところ、さっきお父さんが言ってた通りに、日常の暮らしの中でツノがなくて困ることなんて、今までただの1度だってなかったんだ。
 それは、ツノのない僕だからこそ分かることなのかもしれないけれど。
 僕がぼんやりとそんなことを思い出していると、お父さんはまた話を続けた。

「そんな何の役にも立たないツノの為に、無駄な労力を使うオニって種族は、なんて馬鹿馬鹿しい生き物なんだと、人間の皆さんはお思いになるでしょうねえ。
いやあ、実は全くその通りなんです。
私も今になって、やっと心からそう思えるようになりました。
私はこれまで、なんてつまらないことに拘っていたんだろうとね。
きっとこれは、太郎のおかげ、いえ、今回の私が引き起こした、この騒動のおかげだと言っていいんじゃないかと思うんです。
私は、昨日の教室での出来事以来、子どもを傷つけてしまった自分の浅はかさ愚かさの後悔と、人間界に対する失望に重苦しい一夜を明かしました。
そして、今日、こうして先生のお宅にお邪魔させていただいて、先程の喧々囂々たる騒ぎを目の当たりにして、最初は驚き、そして、私は更に人間界に対する失望感を募らせました。
一時は、この世界に得るものはないと思い、先生とのお別れの挨拶など辞めてしまおうと太郎にも進言しましたが、逆に太郎に思いとどまるよう諭されました。
そんな状況の中、佐藤さんと西原先生。
私は、あなた方のお話を聞いて、本当にたくさんのことに気づかせてもらえたのです。
そして、その気づきは、私の心に芽を吹き、葉を茂らせ、驚くほど短時間の中で、根を張っていったのです。
そう、私はこの騒動の中、私自身が急激に、劇的に変わってきていることを、今、実感しているのです」

 先生や周りのおじさん、おばさんたちは、お父さんのことをじっと見つめて話に聞き入っている。
 あのトカゲ眼鏡でさえ、ちょっと首を傾げて不思議そうな表情をしてはいるけれど、けして茶々を入れようとはしないで、お父さんの話に聞き入っていた。

「私も、皆さんもちっとも変わりやしません。
我がままで、独りよがり。
無い物ねだりの、ツノナシオニだったんです」

《第21回へつづく》




☆アルファポリスに挑戦☆
アルファポリスさんのランキング「Webコンテンツ」に挑戦します。「うふふ」とか「ほろっ」とか「なるほど」と感じたら、押してくださいね。

  児童小説 ツノナシオニ

posted by maruzoh at 08:23| Comment(0) | ◆ツノナシオニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

検索
 

title.gif
maruzohは、アートビリティ作家さんを、応援します!

●ご連絡先● 〒165−0023 東京都中野区江原町2−6−7
社会福祉法人東京コロニー アートビリティ事務局内
TEL 03−5988−7155/FAX 03−3953−9461
●営業時間● 平日 9:00〜17:20 / 土・日・祝日 休業日