やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年10月12日

ツノナシオニ 第16回 交代


ツノナシオニ 第16回 交代 


 トカゲ眼鏡は、ずるい。
 だって、さっきまでは腰を抜かすくらいまで怯えて、真っ青な顔で尻餅をついてたくせに、僕らと先生が楽しく笑ってたのを聞いて、お父さんが全然怖くない、そう、やさしいオニだってことが分かった途端、あんなことを言い出したんだから。

「青〜い、世間知らずのセンセイさま。
さて、どうしたもんかね、この代償は・・・」

 トカゲ眼鏡は、少し赤くなっている左の頬を掌でピタピタと叩きながら、舐め回すような目つきで先生を見た。
 そして、ふんと鼻を鳴らして、いやらしそうに言うんだ。

「どうやらあんたにゃ、詫びるつもりは毛頭ないみたいだなぁ。
だとすれば、話は早いよ。
出るとこに出るだけさ」

 と、その時だった。

「佐藤さん、でしたね」

 ええっ、なぜ?
 驚いたことに、お父さんがトカゲ眼鏡に声を掛けたんだ。
 頭の真上から声を掛けられたトカゲ眼鏡は、びっくりして首が痛くなるくらいの勢いで、身長2メートル9センチのお父さんのことを見上げた。

「いてて・・・
いかにも、わ、私は佐藤だが、何か?」

「桃山さん」

 相手にしない方がいいとでも言いた気に、先生が後ろからお父さんの肘の辺りを引っ張るけれど、お父さんは、先生の顔を覗きこんで、にっこりとウインクをして見せた。

 僕にはそれが(先生、ここは私に任せてください)と言ってるように見えた。

「佐藤さん、お子さんは、男のお子さんですか?
それとも、女のお子さん?」

「お、女の子だ」

「お一人で?」

「そうだが・・・」

「ほう、そりゃあ可愛いでしょうね。
ウチも一人っ子なんですよ。
可愛くて、可愛くてしようがないでしょう?
つい、心配し過ぎたり、甘やかし過ぎてしまうんですね」

 トカゲ眼鏡は、いらいらしたように腕組みをして言った。

「あたしゃね。
まだこの先生と話すことが、たくさんあるんだ。
分かるかい?
あんたとくだらない世間話をしてるほど、暇じゃないんだよ」

「でも、佐藤さん、さっき仰ってたじゃないですか。
あとは、出るとこ出るだけなんだって。
だったら話は、その出たところですれば良いんですから、ここでする話なんて、もうないはずじゃありませんか?」

「ま、まあ・・・」

「それより、どうです?
オニと会うだなんてこんな機会、滅多に無いんですから、この事件の発端となった私のツノ、見てみませんか?
みなさんもどうです、見たくありませんか?」

「えっ?」

 トカゲ眼鏡のレンズの奥の細い目が、びっくりするくらい見開かれて、それからトカゲ眼鏡の視線は、見えるはずのないお父さんの帽子の内側に釘付けになってしまった。
 いや、驚いたのはトカゲ眼鏡だけじゃない。
 周りのお父さんお母さんも、みんながみんな一心に、お父さんの帽子の中のツノを見つめていた。

《第17回へつづく》




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  児童小説 ツノナシオニ

posted by maruzoh at 13:56| Comment(0) | ◆ツノナシオニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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