やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年09月20日

まりなさんと王様 第30回 こころの器


〜童話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第30回 こころの器 


まるで子どものように泣き続けるマスターと奥さんを
まりなさんと王様達は、暫くの間そっと見守っていました。
でも、ほの暗い公園に冷たい北風が吹いて、
みなの首筋をブルブルッと震わせると、
ほとんど同時にまりなさんと王様が2人に歩み寄りました。
まりなさんは奥さんに、王様はマスターの肩に、
そっと手をやりました。

まりなさんは、何か言葉をかけようと思ったのですが、
なかなか思いが言葉になりません。
やっとの思いで、

「ご、ごめんなさい・・・」

そう言うと、まりなさんまでもが涙の輪に引き込まれてしまいました。
3人の泣いているそばで、目をウルウルさせた王様が言いました。

「まるで、あの日のココロニアのようですな。
他人を思いやる心がすれ違いを起こしてしまっても、
人間は、本当の心さえ失わず、
心をさらけ出しさえすれば、
いつか必ず結びつきあうものなんですな・・・」

MARUZOHくんが駆け寄ります。

「まりなさん、マスターたちも、
いつまでもこんなところにいたら、風邪を引いてしまいますよ。
どこかでホットミルクでも飲んで暖まりましょうよ」

まりなさんが、泣きながらこくんと頷きました。
MARUZOHくんは、

「よおし、あったまるぞう・・・」

とおどけて言いました。
まりなさんが、くすりと笑います。

みんなでダンテBARに戻ることになったその道すがら、
王様は歩きながら、こんなことを言いました。

「最近、感情を押し殺すことが流行ってしまったのか、
昔のように心から泣く人、心から笑う人が少なくなったような気がします。
映画やテレビドラマを観て、泣いたり笑ったりするのと、
本当に心から泣いたり、心から笑ったりするのは、全く違いますよね。
それは、傍観者であるのと当事者であることの違いなんでしょうね。
みんな当事者である事が少なくなった分、
バーチャルな感情を求めているのかもしれません。

今では「キレる」という言葉を、大人までもが当然のように使っています。
ご存知のようにこれは、ちょっとしたことで怒りが爆発してしまい、
自分が制御できなくなることです。
浅薄な文化の中で育った現代人は、
感情を受け止める心のキャパシティーが、
知らず知らずに狭められているんじゃないでしょうか。
そしてそれは、喜びや悲しみ、寂しさや悔しさにも
当てはまることなんじゃないかと、私は思うんです。
本来は、それらの感情こそ、感動を生み出す元でもあるはずなのに・・・
感情を押し殺すことが、秩序を保つとか、カッコいいと教えられると、
人間は自らの心に蓋をして、心を狭めさせてしまう。
狭められた感情の器としての心は、ちょっとしたことですぐに満たされますが、
小さい器では所詮、浅い感動しか得られません。
本来人間は、大いに笑い、大いに泣き、大いに怒り、
そして大いに、感動するもんなんですよ。

長距離走のコツをご存知ですか?
しっかりと深い呼吸をすることです。
きちんと二酸化炭素を吐き切ってから、
肺の奥まで新しい酸素を取り込むんですな。
それに反して浅い呼吸を数多くするだけでは、
肺の上の方だけにしか酸素が届きませんから、
喘いでいるばかりになってしまうんです。
心も一緒です。
自分が知らず知らずのうちに心の器にしてしまった蓋を開いてあげて、
本来の器を満たす感情をしっかりと受け止めてあげられれば、
深い感動や深い思いが受け止められるんですよ。
それだけの心の器が、誰にだってあるんです」

そう言って、王様は大きく息を吸い込むと、
マスターに向かって微笑みました。

「さっきのマスターは、うん、かっこよかったですな・・・」

《次回最終回につづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 08:11| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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