やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年09月13日

まりなさんと王様 第23回 ココロニア建国史 独立戦争開戦


〜童話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第23回 ココロニア建国史 独立戦争開戦 


「それからの本島との闘いを、私たちは独立戦争と呼んでいますが、
もちろん、武器などの暴力を使った争いではありません。
しかも当初は、2つの島の争いと言うよりも、
本島から私たちへの一方的な誹謗中傷といやがらせばかりでした。
例えば、私たちが不足している食材の買い付けに行っても、
いろんな理由をつけて譲ってくれなくなりました。
また、私が本島の若奥さんに横恋慕しているだの、
村会議員の立場を利用して汚職を働いているだのとの噂が、
まことしやかに囁かれたりしました。
ひどい噂の中には、私たち仲間はカルト教団で、
私たちは月夜の晩には生贄を捧げているなんてのもありました。
そこまでいくと、ふふふふ、笑ってしまいますな。

最初は、さすがにショックであり、とても悲しく思いました。
しかし、いつまでも私が塞いでいるわけにはいきません。
特に食料については、ある程度の自給自足は出来ていましたが、
全てと言う訳にはいきませんでしたから、これはもう死活問題です。
私たちは 新たに畑を開墾したり、
遠方の島からの食料入手ルートを開拓したりして、
何とかそれらの嫌がらせに対応していきました。

そして、半年が経過しました。
その年は、村議会議員改選の年に当たっていましたが、
公示日を1ヵ月ほど後に控えたある日、
本島からの船が2隻、私たちの島にやってきました。
船には村長、駐在、漁業組合長ら本島の実力者、
そうそうたるメンバーが乗っています。
実はこの3人は、3人の長老のそれぞれの息子なのです。

その3人が雁首揃えて何なのか用件質すと、
本島の漁師の投網が昨晩盗難に遭ったとのことで、
そして、なんと、昨晩、その家の近所で
大きな荷物を抱えた私を見かけたという目撃証言があると言うのです。
 
駐在が勇んで私たちの船を調べてみると、
そこには、ありようはずもない投網が
船室の隅に丸められて置かれているではありませんか・・・

ご想像通り長老3人の謀略、当然、全くの濡れ衣です。
喜色満面の3人は一斉に私に詰め寄り、
亡命した夫婦を引き渡しさえすれば今回の件は大目にみてやるが、
そうでない場合は、私を逮捕拘留すると言いました。
また彼らは私に、次の選挙の出馬を断念しろ、とも言いました。
私は、いやらしく口元を歪めて、
「この件が公になれば、投票する奴もいまいが」
と言った彼らの顔を、未だに忘れることができません。
人間とは、こうまでさもしくなれるものか、と私は思いましたよ・・・
「1日の猶予を与えるから、仲間とゆっくり相談しろ」
彼らはそう言って帰っていきました。

島の仲間は、怒りに打ち震えていました。
特に法務大臣などは、難しい法律用語をいくつも並べて、
徹底的に争うと息巻いていました。

でも、夕焼けの中、彼らが帰っていく船の航跡を見つめながら、
私は、全く別のことを考えていました。

今しがたここで繰り広げられた茶番劇・・・

私や私の仲間たちは、権力を欲している訳でも、
ましてや島の利権が欲しい訳ではありません。
でも彼らと長老らは、それが全く理解できないのです。
彼らは次の村会議員の改選で、私たちが更に台頭することによって、
これまでの権力構造が脅かされるのではないかと疑心暗鬼になり、
自らの地位と既得権益を守る為に、私たちを潰そうとしています。

しかし、です・・・
彼らだけが権力やお金に特別執着のある、
特別な、異常な人たちなのでしょうか?

私はもう1度、よく考え直してみました。
彼らの考え方、権力の構図、謀略や脅迫は、
東京、日本、いえ、全世界の現代社会の価値観や構図を、
ただ、わかりやすく、単純にしただけであって、
文明国と言われる現代社会においては、
決して非日常的な特殊なものでは、ありません。
ある意味、今の世の中では悲しいことに、
私たちより彼らの方が、スタンダードに近いのかもしれません。
 
これから私たち仲間が、ここで暮らしていくに当たって、
現代社会と全く接点を持たずに生活することは、
いろいろな意味で、これは あり得ないことです。
ということは、恐らく、このような価値観の衝突による争いは、
今後も絶えないのではないのかもしれません。
言い換えるなら、これは、「生きる」ということに対しての
現代社会と私たち仲間の、イデオロギー闘争ではないかと、
私は、そんな風に考えていたのです
だとしたら、私たちはこの闘いには、
絶対に負けるわけにはいかないのです」

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 07:14| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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