やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年09月03日

まりなさんと王様 第13回 文部大臣登場


〜憧話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第13回 文部大臣登場 


王様は、あの日とちっとも変わらない威厳を醸し出しています。
少し変わったところといったら、もう冬も本番ですので、
縞のパンツの下のタイツが、厚手のものに変わっていたくらいでしょうか。

「お久しぶりですな。
まりなさんもマスターも、その節は世話になりました」

王様の姿を見るやマスターは、
先ほどまでの意地悪そうな表情とは打って変わって、
満面に商業的な笑みという笑みを湛えて、
もみ手にすり足で4歩、5歩と歩み出て言いました。

「いやあ、いやいや。
お世話になったのは、こちらのほうでございます、王様。
知らぬとはいえ、失礼の段の数々、
穴があったら入りたいくらいでございますよ。
ひょほほほほ・・・」

本当にこれが、先ほどのマスターと同じ人なのでしょうか。
ここまでの早変わりは、もう、芸の域と言って良いでしょう。
でも、王様はそんなマスターに目もくれずに、

「挨拶はさておき、まりなさん!」

と、まりなさんに向かって言いました。
まりなさんは、雷に打たれたかのように、どきりとしました。

「丸蔵からライブのお話を聞いて、
私が遠路はるばるココロニアから出てきたというのに、
あなたは会場にいないというではありませんか。
もしやと思い、こちらに使いの者を向かわせたら、案の定、
何やらトラブルに巻き込まれているという・・・」

まりなさんがあっけに取られたまま黙ったままでいると、
王様は、さらに続けました。

「これまでの事情は、失礼ながら使いの者から聞かせて頂きました。
さあ、まりなさん。
あなたの心の命ずるままに、さっ、お行きなさい。
このお店に関しては、悪いようにはしません。
私に任せておきなさい」

まりなさんは、目を大きく見開いたまま、大きくうなずきましたが、
それでも、なぜかその場から駆け出していくことができませんでした。
その時です。

「まりなさん、向こうのライブ、
これ以上はもう、待ってもらえないんだよ!」

ドア付近で聞き覚えのある若い男の叫び声がしました。
まりなさんがはっとして視線を移すと、

「ま、MARUZOHさん・・・」

表にタクシーを待たせたMARUZOHくんが、
真っ赤な顔をして立っているではありませんか。

まりなさんは、まるでMARUZOHくんのその言葉で、
マスターにかけられた呪いが解けたかのように駆け出しました。
そして、あっという間に2人は、タクシーに乗り込み走り去っていきました。

「お、王様ぁ、ウチはどうなっちゃうんでしょうか?
先ほど、私に任せろ、悪いようにしない・・なんて、
そんな風に聞こえたような気がしたんですが・・・
まあ、下衆な話なんですが、
当方としましてはココロニア金貨の5・6枚でもいただければ、
誠にありがたいのですが・・・」

マスターがもみ手をしながら、笑顔でさらに王様に近づきました。
でも、マスターの眼は、ずるそうに光っていてちっとも笑っていません。

「いえ、それには及びません。
やりましょう、Free Birdsのライブを」

マスターが、心の中でチッと舌打ちをしたのを、王様は見逃しませんでした。
そして、王様はこう言いました。

「執事長、文部大臣を呼びなさい。
それとマスター、あなたは、ちと、悲しいですな・・・」

王様の心の隅まで見透かしたような言葉に、
マスターは、しばし唖然としていましたが、
呼び出された文部大臣が奏で始めたピアノの音色を聴くや、
それは、呆然に変わってしまいました。

マスターは、かれこれ20年以上もジャズを聴いていますが、
こんなに正確であるにも拘らず、実に感情豊かに、
まるで叙情豊かな詩を朗読するようにピアノを弾く人を、
後にも先にも、1人だって見たことがなかったのです。

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 11:33| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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