やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年09月02日

まりなさんと王様 第12回 王様 再び


〜童話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第12回 王様 再び 


12月の太陽は、あっという間にビルの影に落ちて、
ダンテBARは、すっかり暗くなってしまいました。
そこに、意地悪そうに煙草をふかすマスターの声が響きます。

「ママ、聞いたかい?
そら恐ろしいねえ。
この自分本位の身勝手極まりないオネエチャンは、
どうやら自分の夢を叶える為だったら
他人様の生き死になんてどうだっていいらしいや。
こうなったら俺たち親子3人路頭に迷って、
一生このオネエチャンを敵と恨んで生きるとするか?」

あまりにも酷い変わり様と、一方的な言い分に、
まりなさんの頭は、すっかり混乱してしてしまい、
思っていたことを何一ついえないまま立ち尽くしていました。
くわえていたタバコをぺっと床に吐き出したマスターは、
荒々しくそれを踏みつけてもみ消しました。

「飼い犬に手を噛まれるってのは、こういうことを言うのかね?
いや、恩を仇で返すって方が正確かも知れんな。
信じられんよ。
まあ、どうでもいいや、どっちみち俺らは、ジ・エンド、
もうお仕舞いなんだ」

(マスター、どうして、そんな風に言うんですか?
こ、こんなの私の知ってるマスターじゃない・・・
今まで私に接してくれた、応援してくれた優しかったマスターは、
あれは、本当のマスターではなかったんですか?
わ、私は、お店のためにもなるとも思っていたのに・・・)

そう考えていると、まりなさんの目から、
みるみるうちに大粒の涙が溢れてきました。

「もう、いいよ。
泣いた振りなんてしてないで早く行きゃいいじゃない。
大事なライブのリハとか、準備だってあんだろ?
俺たちもさ、家に帰って夜逃げの準備、
いや、首でも吊る準備をするからさ。
ひゃははははは・・・」

(どうして、どうして、どうして・・・
もし、マスターが、違う風に、私に言ってくれたんなら、
私は、Hart Landのお話、断わろうと思っていたのに・・・
それなのに、それなのに・・・
もう、嫌だ。
ここでは・・・
もうダンテBARでは、
二度とピアノなんて弾きたくない・・・)

まりなさんが流れる涙に両手で顔を覆った、その時です。

コンコンッ!

ひどく澄み切った音のノックがあったかと思うと、
黒服の、そう、映画に出てくる執事そのものの男性が、
ドアをサッと開けるとお店に入ってきました。
そして、誰かをうやうやしく招きいれます。
その後ろから覗く恰幅のいい紳士。
金ぴかの王冠がキラリと光りました。

「お取り込みのところ、失礼しますぞ」

その場にいるもの全てを振向かせる威厳のある口調の主は、
紛れもなく、あの霧雨の日の王様、その人でした。

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 09:07| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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