やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年08月30日

まりなさんと王様 第9回 電話


〜憧話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第9回 電話 


寒い冬の朝がこんなに清々しいだなんて、
まりなさんは今まで一度だって感じたことはありませんでした。
透きとおった朝の光に、空気まで輝いているようです。
いつもなら、魔法がかかったように、
なかなかそこから出られないはずのベッドだって、
今日なら、すすいのすいです。

ついに、この日がやってきました。
言わずと知れた、Hart Landのライブの当日です。
不思議なもので、昨日まであんなに気になっていた王様たちのことは、
すっかり頭の片隅に追いやられてしまって、
今は、上手い具合にHart Landのライブに集中できています。

(よし、がんばろっ!)

シャワーを浴びて、ブランチを終えたまりなさんは、
ダンテBARのオードブルを作る約束の前に、
何人かのお友達にチケットを渡そうと、
予定の時間より随分と早めにアパートを後にしました。

実は、まりなさん、うれしくってうれしくって、
部屋の中で踊りだしたくなってしまうようなドキドキを、
抑えきれなくなってしまったんです。



「どうだい!この芸術的なチーズの切り方、
これからは、マスターじゃなくてシェフと呼んでもらおうかな」

奥さんや妹さんを前に、もう、有頂天のマスターの声が、
傾いた日差しが照らすダンテBARに響きます。
テーブルの上には、スモークサーモンやキャビアのオードブルや
色とりどりのサンドイッチが、綺麗に盛り付けられ始めました。
何だかとても高そうなシャンペンまで用意してあります。

こちらのライブも、会場まで2時間を切りました。
いつも真ん中にあるピアノは奥の壁際に。
いつもは無いドラムセットがその脇に組まれています。
きっと、ベースの白石さんが、1番手前でしょう。
ピアノの後ろ、レンガの壁には、
“FABULOUS” FREE BIRDS という文字が、
マスターの『芸術的』なセンスにより、白いスプレーで描かれています。
客席も、知り合いのお店に借りた椅子で、随分増えました。

いつにも増して饒舌で、笑顔の止まらないマスターが、
パンパンと手を叩きながら言います。

「さあ、会場まであと1時間半、開演まで2時間半だよ!
口を動かさずに、手を動かそう!」

自分のことを棚にあげたマスターの言葉に、
まりなさんや奥さんが笑いながら反論していたその時、
お店のピンク電話がけたたましく鳴りました。

「はいはい、お待ちくださ〜い」

マスターが電話口に急ぎます。

「はい、ダンテBARです。
あっ、どうも白石さん。準備はばっちりですよ〜。
そろそろ、リハーサルですよね・・・
えっ? 吉田さんが? えっ? えぇ・・・」

受話器を耳にしたままのマスターはそう言ったきり、
ぼんやりとピアノを見つめて、口をつぐんでしまいました。

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 14:46| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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