やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
   maruzoh live.jpg

名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年08月29日

まりなさんと王様 第8回 王様とMARUZOHくん


〜童話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第8回 王様とMARUZOHくん 


MARUZOH君の『ちいさい秋みつけた』は、
まりなさんのそれとは、全く趣(おもむき)が違いました。
すごく悲しげなのに、でも寂しくはないのです。
小さな暖かさが、伝わってくるようです。
あえて例えるとしたなら、
まりなさんの『ちいさい秋みつけた』が
ちょっとお洒落な切子細工のグラスだとすれば、
MARUZOHくんのそれは、陶器の持つあたたかさでしょうか。

曲が終わってまりなさんの拍手が、
すっかり人気(ひとけ)のなくなった街角に響きました。
まりなさんは、ドキドキしながらMARUZOHくんに聞いてみました。

「ありがとう、すごい素敵でした。
じ、実は私も、1ヶ月前の霧雨の夜にこの歌を歌ったんです。
ある人からリクエストされたんです。
し、信じてもらえないかもしれないけれど、
その時、この歌をリクエストしたのは、
ほ、本物の王様だったんです」

MARUZOHくんは、一瞬きょとんとした顔つきをして、
そして、ふっと笑いました。

「いっ、いえ、決して私の頭がどうかしてるわけじゃないんです。
本当なんです、王様だったんです。
信じられないかもしれないけど、本当なんです。
で、同じ歌の好きなMARUZOHさんなら、
も、もしかしたら、何か、その王様のこと、知ってるかも・・・」

まりなさんは、真っ赤になってしまい、
最後は、口ごもるように話を途切れさせてしまいました。

(初めて話をした人だって言うのに、
私ってなんて馬鹿なこと聞いてしまったんだろう・・・)

まりなさんは、口を衝いて出てしまった言葉を悔やみました。
これでは、なんて変な人だろうと思われても仕方ありません。
まりなさんは真っ赤になってしまった顔を覆った指の隙間から
こっそりとMARUZOHくんを見てみました。
ところが、驚いたことにMARUZOHくんは、
そんなまりなさんに平然と、こう言ったのです。

「王様のことなら知っています。
ココロニア国王ですよね。
あなたのお店で、この曲をリクエストしたことも聞いています」

まりなさんは、すぐに声も出せないほどびっくりしました。

「あ、あなたは、王様の・・・・」

十数秒間、固まってしまったまりなさんが、やっと口を開いたその時です。

「お〜!いたぞ、いたぞ〜っ!」

「こんなとこにいやがったぁ!」

いつの間にやって来たのか4人連れの酔っ払いおじさんが、
まりなさんとMARUZOHくんの間に割って入ったのです。

「この兄ちゃんはなぁ、ヒック、
今時の若いもんには珍しくなぁ、
日本人の心ってもんを知ってるんだ〜っ、ヒック」

ネクタイを額に巻いた眼鏡のおじさんが、
他のおじさんたちに、呂律の回らない口調で説明しています。

「か、課長ぉ!
懐かしくて、泣かせる歌を、聞かせてくれるってのは、
このあんちゃんですかぁ?ヒック」

やっぱり呂律の回っていない部下らしきおじさんたちが、
ネクタイおじさんを持ち上げます。

「なあ、にいちゃん。
こないだの、ほら、『七つの子』、またやってくれないかぁ?」

「いいっすねえ、課長。
からすの勝手でしょ〜って、あれですよね」

MARUZOHくんは、ニコッと笑うと、目でまりなさんに

(じゃあ、続きはまた月曜のライブハウスの後で・・・)

と挨拶をして、ギター『七つの子』を爪弾き始めました。
まりなさんは、どうしても話の続きが聞きたかったのですが、
あの勢いのおじさんたちに勝負を挑んでも勝ち目はないと思い、

(きっと、来てくださいね、きっとですよ)

と、目で返しました。
そして、まりなさんは、赤い自転車にまたがって、
もう1度MARUZOHくんの方を見てから
ゆっくりとペダルをこぎ始めました。

「か〜らす なぜ泣くの〜♪」

MARUZOHくんのあのハスキー掛かった声が、
背中の方からかすかに聞こえています。

(そう、ライブの日には、会えるんだ。
そしたら、すべてがわかるはず・・・)

今度の月曜日は、すごい日になりそうです。

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 08:25| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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