やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年08月23日

まりなさんと王様 第2回 王様


〜童話 こころ王国 episode 1〜
まりなさんと王様 第2回 王様


その王様風の紳士は、
まさにトランプの「キング」のようなヒゲをそっと右手でなでつけて、

「お邪魔でしたら出なおしますが?」

と言いました。

まりなさんは、どう返答してよいものか困ってしまい、
カウンターの奥のマスターをチラッと見ました。
もし、頭のおかしい人だったら・・・、と考えたのです。

「いえいえ、大丈夫ですよ、遅くまでご苦労様です。
この時期、もう夜はだいぶ冷えますから大変でしょう。
さすがに熱燗はおいていませんけど、
ブランデーのお湯割でも作りましょうか?」

どうやらマスターは、この紳士のことを、
サンドイッチマンか何かと、思っているようです。
でも、まりなさんは、そうは思いませんでした。
王冠についている宝石も、真っ赤なマントの生地も、
そして、金色のステッキも、どう見ても安物には見えませんし、
何よりもこの紳士の物腰とさりげない威厳、
これが、他の誰とも違うような気がしてならなかったのです。

王様風の紳士は、ピアノの正面のテーブル席に腰掛け、
マスターお薦めのホットブランデーを丁重に断ると、
オレンジジュースを注文しました。
マスターは、テーブルまでオレンジジュースを運んで、
メニューを広げて言いました。

「すみませんねぇ。
なにぶんジャズのお店なものですから、
食べ物と言ったら、サンドイッチとかクラッカーぐらいしかないんですよ」

「いえ、ご心配には及びません。
食事は済ませてありますので、結構です」

紳士はそう言った後、オレンジジュースにちょっとだけ口をつけてから、
まりなさんの方に向き直って言いました。

「それより私は、氷川まりなさん、
いえ、山田麻里奈さんの歌を聞きに伺ったのですが、
どうでしょう、1曲お願いできませんかな?」

まりなさんは、どきりとしました。
氷川まりなというのは、ステージネーム、いわゆる芸名ですが、
この紳士は、なぜ、自分の本名を知っているのでしょう。

「おやおや、これは、失礼。
突然のリクエストで驚かせてしまいましたか?
お願いする前に、まず自己紹介をすべきでしたね」

紳士は、席を立つと、金色のぴかぴかの名刺入れから、
1枚の名刺を取り出すとまりなさんに渡しました。
マスターも後ろから覗き込みます。
その名刺には、信じられないことに、

名刺.bmp

と書かれていたのでした。

《つづく》




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 現代小説 こころ王国 まりなさんと王様

posted by maruzoh at 08:46| Comment(0) | ◆まりなさんと王様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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