やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年01月17日

お取り寄せ救世主 第8回


お取り寄せ救世主 第8回


 相談無料 宅配救世主!

―悩んだら、困ったら すぐ、お気軽に神様へ―
最近ついていないなあ、と感じてる貴方、信心してますか?


ねえ みんな、「鰯の頭も信心から」という諺、知ってる?
簡単に言うと「信じる者は救われる」って意味なんだけど、
逆に言っちゃうと、信じなきゃ、一生救われないってことでね、
諺になるくらいなんですから、そりゃもう、救われんのですよ。
ホントに、もう、十中八九。

救われない人生って、惨めなもんでね。
何が救われないって言いますと、
まず、何をやっても裏目に出る。
宝くじなんて当たったことがない。運がないんだ。
出世も出来ない、お金は無い、異性にもてない、結婚なんてできやしない。
何かの間違いで結婚できたとしたって、夫婦仲は悪いし、子宝に恵まれない。
そのうち家庭は崩壊、精神的にも肉体的にも健康状態は最悪。
おまけに禿げてくるし、臭いとか言われるし、ぶくぶく太り始める・・・
もし、貴方がこの中の1つでも当てはまったら、
それは、はっきり言って、もうやばいです。

では、そんな悲運な貴方は、どうしたらいいのか?
そんな時、頼りになるのが、貴方の人生を救う「救世主」です。
救世主が直接、貴方の悩みを聞いて、
その人に合った信心をオススメして、導いてくれるんです。
コツも、努力も、根性も必要なし。
救世主の言うことを聞いて、信心するだけ、祈るだけです。
信じれば、みるみるうちに貴方の身の回りに、
驚くべき奇跡が起こり始めるから、あら不思議。

さあ、貴方も、レッツ・信心!
神を信じ、祈りましょう!
どんな奇跡かは、信じてみてのお楽しみ、イエ〜イ♪

【当会の、信心3つのお約束】その1 
なんと!業界初の宅配システム!

電話一本、救世主が、貴方のお宅まで伺います。
貴方の空き時間を有効に使って、信心しましょう。
(但し、当日の取り消しは、キャンセル料が発生します)

その2 驚きのポイント制!
当会は、世界初のポイントカード制。
ポイントが溜まれば、誰にでも漏れなく奇跡が起こります。
50ポイントで、小奇跡。300ポイントで、中奇跡。
1000ポイント溜まれば、なんと、大奇跡。
(但し、信仰心により、奇跡に個人差が生じます)
※写真は、イメージ。

その3 初回の電話相談は、なんと無料!
気楽に相談したものの、法外なお布施を請求された・・・
そんな話を耳にしたこと、ありませんか?
当会の電話相談は、完全に無料、お布施は不要です。
お気軽にご相談ください。
(但し、訪問の際は別途料金が掛かります)

救世主派遣センター 埼玉南教会
ご注文は、電話 049−×××ー××××



このチラシを手にした私は、集合ポストの前で、暫くの間、
ただただ呆れるままに立ち尽くしてしまった。
大体、救世主ってのは、世界を救うために現れるものであって、
個人に対して「おまたせしました」とか言いながら、
押っ取り刀で出てくるもんじゃないでしょうよ。
それに、「レッツ・信心」とか、「信じてみてのお楽しみ」って、何よ?
大体「ご注文は」って、商売っ気丸出しじゃないか。

しかし、何よりも驚きなのは、
こんな下劣極まりないチラシを見て、実際に、私の妻が、
受話器を手に取り、ダイヤルをして、「ご注文」をしていることで、
しかも、電話をしているのが、あの出鱈目なウチのだけなら
まだ理解出来ない訳でもないのであるが、
キューセーシュ君の、ひっきりなしに電話が来るという話からも、
この文面を読んでの相談電話が、かなりの件数に及んでいるという事実が、
私にはどうしても理解できない。驚いてしまう。
世の中には、かくも、悩み多き阿呆が多いのであろうか。
それとも、何にすがっても駄目続きで、とことん悩み苦しんだ挙げ句、
「この脳天気な馬鹿さ加減に賭けてみよう」と、
つまりは、溺れに溺れて、最後にヤケ糞で掴んでしまった藁が、
この下劣極まりないチラシなのだろうか・・・

そんなことを考えていた私は、大きく、ひとつ深呼吸をして、
先程駆け下りてきた薄暗い非常階段を、
妻とキューセーシュの青年イヤミ君の待つ3階に向かって、
今度は、一歩ずつ、ゆっくりと昇り始めた。
渇いたサンダルの音だけが、ぺたぺたと、コンクリートの壁に響いている。

《つづく》




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 現代小説 お取り寄せ救世主

posted by maruzoh at 09:01| Comment(0) | ◆お取り寄せ救世主 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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