やさしいあなたに、そうでないあなたにも。
                        いろんなあなたに、こころの言葉。













   【maruzoh's profile】
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名 前/maruzoh こと 熱田丸蔵
出没地/和光、富士宮、麹町
誕生日/9月7日 乙女座
好きなもの/こども、詩、絵、童話、小説、音楽、お酒、美味しいもの、犬、野球、寺、神社、花、ギター、家族
とても影響を受けた人/灰谷健次郎さん、鹿島和夫さん、ドン・カ・ジョンさん、かしわ哲さん、PANTAさん、ジョン・ライドンさん、小澤征爾さん、帚木蓬生さん
maruzohより一言/運も、人も、夢だって、欲しがり過ぎると逃げてっちゃう。幸せは、み〜んな天下のマワリモノ。みんなで仲良く分け合おう♪

2011年01月13日

お取り寄せ救世主 第4回


お取り寄せ救世主 第4回


第一印象、しかも、見た目と言うのは、実に重要である。
下手をすると、その後一生分の負い目を、
本人の努力とはまるっきり無関係に、
その一瞬間で負ってしまうというようなことも、有り得なくもない。

この男。
ドアに備え付けの魚眼レンズの覗き穴で見る故、
広角な平目顔の間抜けに見えるというハンデはあるものの、
過去の半生において、この持って生まれたイヤミ似の面相によって
様々な艱難辛苦を受け、乗り越えてきたであろうことは、
30を過ぎたばかりの私ですら想像に難くない。
しかも、覇気が、ない。
何をするでもなく、ただひたすら、ぼーっとしているのである。
神様にしては、全くオーラというものを発していない。
どう見ても、危害を加えられることはあっても、
加えることなどありそうには見えない人物である。
こんな奴なら、楽勝だな。
私の中で、積乱雲のようにむくむくと発生した驕りに、
私は、慌てて急ブレーキを掛けると、懐に仕舞い込む。
いやいやいや、人は見かけによらぬものなのだ。
見せかけに騙されてはいけない。
そう、ひょっとしたらこやつは、
間抜けな風貌で油断を生じさせつつ、
更に、疑似餌たる誘引突起で小魚をおびき寄せる、
あの深海に生息するチョウチンアンコウの如き、
滑稽そうに見えて、実は、獰猛な輩かも知れん。
いや、そうに違いない。
くわばら、くわばら。

私は、まず、チェーンをチェックしてから、
大きくひとつ深呼吸をして、
ほんの少しだけ、ドアを開けてみることにした。
鼓動が速くなって、ええい、汗ばんだ掌でドアノブが滑る。

ガチャリ

広角レンズ越しでない、その男は、
細身かつ頬骨が強調された分、更に、イヤミだった。

向き合ったまま、暫しの静寂の後、
男の唇の端がひくひくと動き、
少しだけ覗いていた歯が顕になり、
何か言おうとしていることが窺い知れた。
シ、シェーか?
それとも、おフランス?
まさか、ざんす?
そんな思いが俺の頭をよぎったのだが、当然に、不正解だった。

「あ・・、あの、夜分にすいません。
あの、昨晩、お電話いただいた、
あの、キューセーシュという者なんですけど・・・」

あのあのばかり言う口調も、声質も、実に、頼りなげなのだが、
それ以前の問題として、
おい、こら、お前、その「キューセーシュという者」って言い方、
実際、それ、どうなのよ?

先程、懐に仕舞い込んだはずの積乱雲が、
またしても、むくむくと巨大化していく。
この男の所作、物言いには、
そういったものを誘引する、何かが潜んでいる。絶対。

《つづく》




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 現代小説 お取り寄せ救世主

posted by maruzoh at 11:20| Comment(0) | ◆お取り寄せ救世主 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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